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アメリカと日本の政治事情

1月6日はアメリカでも日本でも、大きな政治的動きがあった。

 

アメリカでは、暴徒が議事堂に乱入、一時的に大統領選の選挙人確定作業が中断した。

時系列で言えば、

・トランプがTwitterで「6日ワシントンDCで会おう」と呼びかけ

・当日トランプが数万人の支持者に「議事堂へ歩こう」と呼びかけ

・その後、暴徒が議事堂に乱入し、結果的に合計四名の死者発生

トランプは、デモ隊が暴徒化したので「皆さんの気持ちは分かるが、家に帰ろう」と、解散するよう呼びかけた。

とマァ、このような経緯だ。

日本では、大高未貴が「虎ノ門ニュース」で「6日のアメリカで過去見たことがない事が起きる」と嬉しそうに伝えていたが、それが議事堂襲撃デモだったとは、ジャーナリストとしての見識が疑われる。

 

この大混乱に対して反トランプ側は、トランプが暴力デモを扇動した結果、トランプ支持者が議事堂に乱入したと主張する。

一方のトランプ支持者側は、トランプは平和的に歩こうと呼びかけただけで、実際の暴徒はANTIFAと反論する。

議事堂内で死亡した女性は、熱心なトランプ支持者と判明している。

またANTIFAメンバーと言われる一人は、スターリン支持の入れ墨、もう一人はBLMデモで見かけたとの根拠なので、些か心もとない。

ただ普通に考えれば、トランプが呼びかけたデモの先頭にANTIFAのメンバーがいて、トランプが議事堂を目指せとアジ演説することを予想していたとは考えにくい。

実際に60名を超える逮捕者が出ているし、多くの暴徒がテレビカメラで撮影されている。

彼らの取り調べが進めば、極左勢力が暗躍したのか、はたまたトランプ支持者の暴走かは分かってくる。

 

政権の末期で、アメリカ民主主義の汚点になる事件が発生しただけでなく、それを扇動したと疑われたトランプの求心力は急落。

身内の共和党からも閣僚の辞任や党員の反乱が相次ぎ、民主党からは解任や弾劾要求まで出てきた。

在任期間が残り10日ほどになっての、この批判の声の高まりは、さすがにトランプも抗しきれない。

とうとう翌7日になって、実質的敗北宣言で政権の平和的移行を発表し、長かったアメリカ大統領選が最終決着となった。

 

この結果は、決して軽いモノではない。

11月初旬にバイデン勝利と伝えられた時でも、共和党支持者の多くは1月ジョージア州上院選挙での共和党勝利を疑わなかった。

同時に四年後の大統領選で、トランプの再選を目指す雰囲気だった。

しかしそれから二か月間、トランプが根拠不明のまま不正選挙を主張し続けた結果、ジョージア州選挙で共和党が連敗した。

大統領、上院、下院の全てを民主党が抑えるトリプルブルーが実現してしまい、今後の政局で共和党は一気に不利な立場になった。

加えて今回の暴徒デモでトランプの権威は失墜、最終的に敗北宣言をしたので、四年後の大統領選立候補は困難になった。

トランプの事業も不調らしいので、しばらくは内憂外患が続く。

 

日本のトランプ支持論客たちも、説明不能な大混乱に陥る。

海の向こうの事情も分からないまま、とにかくトランプが負けるはずがないと信じ込み、トランプ同様の勢いで不正選挙を糾弾し、トランプの逆転勝利を力説してきたのだから途方に暮れるしかない。

しかもその不正選挙の証拠は、結局最後まで提示されなかった。

彼らが頼りとした弁護士トリオも、ジュリアーニ武漢肺炎罹患以降はすっかり戦線離脱。

残ったパウウェルとリンウッドが「不正を暴く」とか「戒厳令」とか威勢よかったが、その全てが空振りに終わった。

最後の最後に、トランプ自身が敗北宣言を出す事態にまで至ると、彼らはありもしない脳内誤解ホルモンに塗れたいただけになる。

弁護士はカネ次第なので、トランプに支払い能力がなくなれば、自然といなくなってしまうだろう。

 

日本政府を取り囲む環境も厳しい。

これは偏に、武漢肺炎対策のもたつきにある。

ガースーは、経済と防疫の両立を目指し、Go to継続に拘った。

緊急事態宣言も出し渋ったし、外国人の入国拒否にも消極的だった。

更に言わなきゃ良かったのが「正月で鎮静化すると思った」発言で、これはものの見事に予想が外れ、見込みの甘さだけが目立った。

しかもGo toは根拠不明のまま中止、嫌がっていた緊急事態宣言は、小池百合子に仕掛けられて1月8日からの実施を追認してしまう。

それなのに、外国人入国禁止はなかなか決断しない。

何ともチグハグ対応を印象付ける政策を連発している内に、陽性反応者も重症者もドンドン増えていく。

当然ながら、マスコミと野党から一斉に非難され、支持率は急落だ。

 

ガースーの任期は秋までなので、今年中に必ず総選挙が実施される。

昨年9月には70%超もあった支持率は、今では半減している。

ここまで逆風になると、安倍政権下で総選挙に6連勝してきた与党だが、勝利は覚束無い状況に追い込まれてしまった。

しかし今のガースー政権に、武漢肺炎の効果的対策は期待できない。

 

更に、アメリカ頼みだった日本国防が、今回のアメリカ大統領選挙結果のせいで、大幅な見直しが必要になってくる。

トランプは、実に日本に協力的、好意的で、日本が中国から尖閣列島を守るために、米軍も積極的にサポートしてくれた。

しかしバイデンが、同じことをやる保証はない。

バイデン政権下では、米軍の防衛費用の大幅削減も噂されている。

 

しかしここにこそ、ガースー政権支持率再浮上のチャンスがある。

日本独自の力で、中国から尖閣列島を守らなければならなくなる。

日本にとっても、ガースー政権にとっても、その政策を徹底するためには、法的整備、憲法改正が焦眉の急になる。

 

元より野党寄りの政権支持層など、当てにできるモノではない。

支持率で追い込まれているガースー政権は、もはや野党への配慮や中国、韓国との協調路線などを気にする余裕も必要もない。

本来の保守的政策を推し進めれば、一時的にガースー政権から離れた保守層を取り戻すことができる。

日本は、60年安保以来のアメリカ頼みの外交から、真の独立外交へ脱却するチャンスと前向きにとらえるべきだ。

 

昨日のアメリカと日本で発生した政治変化は、日本にそんな覚悟を持つことを突きつけたと思う。