昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ヤツは共産党か立憲民主党の支持者に違いない

ウォーキングの最中に、どうにも変なヤツに出会った。

 

いつもの道を、いつものペースで歩いていると、真正面から爺さんが来た。

こちらが右側を歩いているので、爺さんはヒダリ側を歩いていることになる。

このままでは正面衝突になるので、爺さんを避けようと更に右側に寄る。

すると爺さんは、少し向かって左側に進路を取り、何事もなくすれ違った。

ここまでは、よくある光景だ。

 

いつもと違うのはこれから。

爺さんがすれ違いざま「左側を歩けよ」と、文句をつけてきたのだ。

 

最初は、何を言っているのか理解できなかった。

そこでこちらも振り向いて「ハァ?」と聞き返すと

そこから真に珍妙な会話が交わされることになった。

 

 爺さん「左側を歩かないとダメだろ」

 当方 「左側?人は右側を歩くものだろう」

 爺さん「何を言ってるんだ、ここは日本だぞ」

 当方 「バカ言え、小学校の頃に人は右、車は左と教わっただろ」

 爺さん「本当か?」

 当方 「見てみろ、車は全部左を走っているだろ、日本では人は右、車は左!」

 爺さん「だけど俺は、この歳まで人は左でやってきた」

 当方 「どう生きてきたのかは知らないが、人は左なんて初耳」

 

ここまでで形勢不利と思ったようで、爺さんは「マァいいや」と捨て台詞を残して立ち去って行った。

こっちにすれば「マァいいやじゃないだろう、他人にクレームをつける前に交通マナーを勉強しる」と悪態をつきたい思いだ。

 

「年寄りに道を譲れ」とか、「危ないからもっとゆっくり歩け」とか、マナー面で注意するのなら未だ分かる。

しかし今回の爺さんは「人は左側を歩くもの」と、自信満々に文句を言った。

その余りの堂々とした間違いぶりに「此奴はアメリカ人か?」と、一瞬こちらの自信と常識が揺らいでしまったほどだ。

しかし相手は、紅毛碧眼鼻高堀深の外国人には程遠い、その辺にゴロゴロといる典型的な偏平アジア顔の爺さんだ。

どう考えても日本人なので、小学校の頃から教え込まれた「歩く時は右側を」を間違えるはずがない。

 

爺さんは「この歳まで、人は左と信じて生きてきた」と言うが、冷静に考えればそんなことはあり得ない。

この爺さんが長年逆行人生を繰り返していれば、どこかで事故にあっていたはずだ。

そうでなくとも、学校の行事で行進する時に一人だけ左側を歩けば、必ず指導者から注意される。

 

ただこの爺さんがこの日、左側を歩いていたことは間違いないし、左を歩くことが正しいと信じていたからこそ、わざわざ当方に文句を言ってきたのだろう。

爺さんはボケているのか、あるいは単なる瞬間的勘違いを認めたくなくて、ひたすら詭弁を弄したのかもしれない。

ただ、こんな頓珍漢爺さんが車を運転でもしたら、今、社会問題になっている道路を逆走する事件を引き起こすかもしれない。 

 

この後に通りがかった公園に、移動警察車が停車していた。

担当の警官が三人いたので、恥ずかしながら「人は右ですよね」と聞いてみた。

「相手が威風堂々と間違えると、自分の常識が間違いかもと不安になるので」と事情を説明すると、大笑いしながら「人が左などありえません」と答えてくれた。

 

そこで思ったのは、あの爺さんは共産党立憲民主党の支持者に違いないとの推測だ。

だから「人はヒダリを歩け」と力説することに、違和感がないのだ。

また社会常識に合わないことでも、大声で言い募っているうちに、それが正しいと信じ込んでしまう。

まるで、どこぞのお国柄か、あるいは、日本の野党に共通の行動パターンではないか。

 

あんなに、常識の部分が正反対の爺さんとは、絶対に付き合いたくない。

しかし政治家になれば、否が応でもそんな国との外交を強いられるし、野党とは国会で話し合わないといけない。

改めて、与党政治家のご苦労に思いが至る、爺さんの行状だった。