昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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「必ず上がるゴルフ会員権」をもう一度読み返した

1987年初版「必ず上がるゴルフ会員権」。
中古本をインターネットで見つけ、懐かしい思いで注文した。
著者は、船橋市で会員権業者だった安間博氏。

バブル期真っ只中で、ゴルフ会員権がまさに鰻上りの状態だった時の本なので、「どこどこのコースは何千万円までは行くと見た」とか、「このコースはこんな価格帯にあるものではない」とか「N興業のコースなので経営の問題なし」とか、とにかく威勢のいい言葉が並んでいる。
しかし、この本で紹介されているゴルフ場で、当時と内容が変っていないコースは恐らく半分くらいしかない。
残りは倒産したり、経営者が代わったりで、バブル戦士の夢の跡、メンバー受難の20年を象徴する本だ。

僕自身、ゴルフ会員権に関しては、死屍累々の歴史だったが、その切っ掛けになったのがこの本だった。
1988年この本を参考に推薦コースを購入したのだが、バブル崩壊と共に相場も下落の一途、700万円で入手した物件が、販売した時は四分の一にまで暴落した。
ただ、損金処理で結構税金の還付があり、性懲りもなく、次にもっと有望と思わしき案件にトライしたものの、これまた紙くず状態で売却する事態となってしまった。
ただ、この時は別途必要だった入会金がそのまま返済されたので、またも税金還付を受け、現在のホームコースへ乗り換えた。三回目で選んだコースは、家から近い事と、フリーでのプレイが可能なクラブライフを優先したので、ほぼ毎週天気さえよければフラリと出かけている。
今までゴルフ場に投資した金の総額は、普通のサラリーマンにとっては決して小さくはないが、現在のコースで充分に満足しているので結果良しである。

今、冷静にこの本を読み返すと、著者は無論ゴルフ会員権の資産価値をPRしているが、一方ではそのリスクもきちんと説明している。
銀行が、会員権を担保に金を貸している事や、ローンを組んで会員権を買う事へも警鐘も鳴らしている。
新設コースに群がる胡散臭いゴルフ業者や、彼らに雇われ施主となった大手建設会社も、結果として善良なゴルファーを騙す一翼を担った事も喝破している。

バブルに踊った我々は、ゴルフ会員権は一方的に上がり続けると錯覚し、この本の博打的部分だけに熱中し、一儲けしようと分不相応な金額を投資し、最終的には大きく損してしまった。
あの頃に、今のような冷静さを求めるのは無理だったのだが、僕自身も含め、当時「カネカネカネ」と狂っていた事への反省を込め、もう一度この本を熟読した。