昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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再び盆栽界へ

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バブル崩壊以来遠ざかっていた趣味の盆栽を再開した。
バブル華やかなりし頃、一介の勤め人としては分不相応な趣味の世界に浸っていた。
当時の盆栽界は、曰く言い難い大金が飛び交っていた。
土地売買や先物取引で利益を得た胡散臭い連中が、金に物を言わせ高価な盆栽を買い漁る。
盆栽業者もまた得体の知れない連中ばかりで、一声10万円単位で値がつけられていた。
結果として、数少ない銘木は連日のごとく価格が吊り上がり、金持ちお大尽達はこぞって展示会で覇を競っていた。
ところが、1991年のバブル崩壊と同時に、それまで盆栽界の中核で権勢を奮っていた不動産業者が真っ先に脱落、その後も、株や先物でアブク銭を稼ぎ出していた連中が次々と金回りが悪くなり、趣味の盆栽を愛でる余裕がなくなってしまった。

僕は、小遣いの及ぶ範囲よりもチョコッと無理して中級の盆栽で楽しんでいたが、バブル崩壊直前の1990年に家を建替えた時に資金難となり、それまで溜め込んだ盆栽を大損覚悟で処分した。
その時に、盆栽界は慢性的にキャッシュアウトが続く詐欺システムで運営されている事に気がつき、それ以来それまでの浮ついた気持ちと訣別、売れ残った盆栽を慈しみ育てる事に専念し、おおよそ二十年近くを地道に過ごしてきた。
ところがつい最近になって、これまた趣味で続けてきたネットオークションで盆栽が売られ始めている事を発見した。
よくよく見ると、なかなかの銘木が出品されている。
早速参加して気に入った銘木を数点落札した。
相場は、過去に盆栽業者が適等に値付けしていたものに比べ、間違いなく10分の1以下の価格となっている。
しかもこの購入価格は、オークションで自分が納得して競合者よりも少し高く値をつけた為に入手できたものなので、例えそれが相場よりも高くても諦めがつく。
先だっては、実際僕が昔所有していた盆栽が出品されていたので、懐かしくなり入札したが、残念ながら競り負けてしまった。しかし、これも僕が購入した時より価格は大幅に下がっていた。
ネットオークションを始めて10年以上になるが、最初の頃は盆栽の出品は皆無だった。
その後、荷物の配送手段が宅配業者によって格段に向上し、盆栽のような形が壊れてはいけない生き物を安全に運ぶ方法が開発された事も、オークションで扱われるきっかけとなったのだろう。

しかし、オークションでこれほど公明正大に盆栽価格が決定されると、それまで暗躍していた盆栽業者の出番がなくなってしまうが、僕のような素人好事家にはプロセスが分かりやすく、大変ありがたい。
置き場の関係で、これ以上盆栽を増やす事は出来ない。
今まで長く所有してきたのは、銘木からかけ離れたガラクタ同然の代物だが、今やすっかり情が移ってしまい、捨て去る事ができない。
今回購入した数点と、以前から持っていたものを、今後とも出来るだけ長く持ち込み、自分の好みに合わせて変えていく事に喜びを見出す事にした。

20鉢近くなった盆栽達が、今から老後の友達になってくれる。
大事に持ちこんでいくことにしよう

写真説明)最近購入した盆栽。昔なら絶対に数十万円はした代物だが、今や手頃な価格となっていた。