昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

オークションで盆栽を

世の中にはワルも多く、ネットの世界では詐欺行為も散見される。
オークションでも、複数IDでの価格つり上げ行為や、偽ブランド品販売、出品者が落札価格が不満なので終了直前に突然終了させる事は今でも多発している。
最近のルール改正で、包装や梱包に関わる料金は出品者負担と決まったのに、依然として多くのケースで、出品者が落札者に要求している。
これは、新ルールが浸透するまで、かなりの時間がかかりそうだ。
そんなリスクの多いネットオークションだが、今まで様々な品物を買い、稀に売った。
勢い込んで競り落としても、実は大半が不要不急なモノで、今やどこに消えたのか分からない。
しかしもう10年以上もキャリアを積んだので、すっかり趣味の一つと考えている。

ネットで買い物をしたり、オークションに参加する場合、ある程度詐欺にあうことは覚悟しなければならない。
しかし、思いもかけない掘り出し物にも巡り合える。
何でも鑑定団に出せば、お宝モノに間違いない支那鉢や、中国殷をたった千円で落札した。
最近では、未使用のバイク用空気入れを、11円で落札した。
送ってきた商品が立派だったので、「こんな価格では、出品者に悪いな」との自責の念が湧いたりする。
悲喜こもごものオークション人生だが、消費税負担がないので、いつも得した気分だ。

昔なら考えられないが、盆栽もまた、オークションで取引される時代になった。
これはヤマト運輸や佐川急便のお蔭で、輸送手段の飛躍的進歩によるところが大きい。
生モノや生き物が、手軽に注文できるのは大変ありがたい事だ。
しかし盆栽のような品物の良し悪しを、実物を見ることなく、写真だけで見極めるのは至難の業だ。
実際に、写真ではわからない欠陥品を買ってしまった事も多数ある。

昔なら、出品者、落札者双方のメールアドレスが分かっていたので、後にクレームをつける事も出来たが、最近は個人情報保護の為に取引ナビが連絡手段に変った。
すると半年もすれば記録が消えてしまうので、その後に欠陥が見つかっても、出品者と連絡の取りようがない。
盆栽のように、ある程度時間が経過しないと、能書き通りの品物かどうかが分からない品物の場合は、出品者がオークションを利用して意図的に欠陥品を売りつけようとすると、落札者には防ぎようがない。

僕はこの所為で、一年も経たないうちに枯れてしまった盆栽や、写真には巧みに隠されていた「ヤケ」と称される疵(キズ)がある欠陥品を、既に10鉢近く買ってしまった。
国風展に出品している有名業者の出品なので安心して落札したが、その中の半数以上が枯れた事もある。
結構高い価格ばかりだったので、騙された事に落胆もした。
偶然にしても、同一業者でここまで同様の事が起きると、何か裏があると勘ぐらざるを得ない。
しかし文句を言っても、「オークション時点までは何の異常もなかった」と主張され、水掛け論になってしまう。
その後は二度と、その業者からは買わないと決めている。
こんなのは不徳の致すところで、騙された方が悪いと諦めざるを得ない。

盆栽には定価がないし、相場もない。
人に拠って、価値に雲泥以上の差がある。
業者にとっては、趣味の人や購買者を騙しやすい商品でもある。
その点オークションは、判断材料が写真だけではあっても、自分で価格を決めることが出来る。
何度も失敗したが、それでも胡散臭い連中が多い盆栽業者から買うよりも、自分で納得した上で選んだ盆栽を買うことが出来る、透明性の高いオークションの方が良い。