昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

本格保守派政権だったはずの安倍内閣

産経新聞政治部が「失って知る安倍政権の輝き」なるコラムを書いた。
その内容は、
 安倍政権は、日本の歴史、伝統、文化を大切にし、自主独立を目指す本格保守政権を期待されていた。
 自民党の中でさえ少数派・非主流派の、理念的保守派が中枢を押えた稀有な政権だったが、参議院選の「民意」と安倍晋三の病の為道半ばで倒れた今、国民の支持を受け党内多数の衆望を集める保守の旗手はもういない。
 後は、歴史問題で執拗に日本に干渉し続けた中国・韓国のお友達、福田康夫が新たな政権を担う。
 安倍政権は、いままでどの政権もなしえなかった教育基本法改正、防衛庁の省昇格、国民投票法を成立させ、左派・リベラル派からは何とか形にしたい法案政策だった永住外国人地方参政権夫婦別姓法案、人権擁護法案女系天皇を認める皇室典範改正、靖国神社代替地施設建設に対しては、陰に陽にストップをかけてきた。
 これらは保守派から見れば、日本の伝統、文化の破壊を阻止した素晴らしい業績だが、安倍首相という防波堤を失って以降は徐々に実行に移されるだろう。
と、中途で終わってしまった安倍本格保守政権の無念さを代弁している。

なるほど、一つの見方だ。
安倍晋三があまりに無様な辞任劇を引き起こし、首相だけでなく国会議員としての資質さえ問われてしまった上に、安部を凌駕する本格保守派議員を捜す事も難しい。
今回の福田政権誕生の主流は、山崎拓古賀誠二階俊博等の中国ベッタリ議員達であり、先に述べた左派・リベラル派法案を熱心に推進してきた連中だ。
何より、福田康夫首相自体が中国・韓国との対話論者である。
総裁選挙中に、麻生太郎から「外相時代の福田は、拉致問題解決に冷淡だった。一旦帰国した五組の拉致家族を北朝鮮に帰そうとした」と批判されていた。
今後の福田自民党政権は、国際社会で日本の自主性を主張するよりも、周辺諸国との調和を重要視するだろう。つまり、この両国からの無理難題を仕掛けられても、友好第一、話し合い解決を模索するに違いない。

しかし産経新聞は、「失って知る安倍政権の輝き」と嘆いているが、産経期待のエースだった安倍晋三のあの体たらくはどう説明してくれるのか?
産経新聞と、本格保守派達は理念だけは磨き上げていたが、肝心の実行役の育成を怠っていたので、完全に人材難に陥ったのではないか。
それは、産経新聞と、その論敵朝日新聞の発行部数にも表れている。
残念ながら、この部分では朝日新聞の圧勝だ。

僕が産経新聞を取り始めて、既に10年以上がたっている。
必ずしも全ての意見が一致している訳ではないが、旗幟鮮明な産経新聞の熱心な読者の積りだ。
しかし最近の産経新聞は、ほとんどアップアップだった安倍晋三に対して傍目もかまわず必死に応援を続け、最後は贔屓の引き倒しのようになっていた。
産経新聞が、本格保守派政権で憲法改正を目指すのなら、安倍晋三のようなボンボン政治家ではなく、小泉純一郎の様な図太く腹の据わった政治家を新たに探し出し、育成すべきだろう。
例えばそれは、平沼赳夫かもしれないし、今回総裁選に敗れた麻生太郎かもしれない。
あるいは、若手の塩崎恭久、在野の櫻井良子かもしれない。

いずれにしても、ここしばらくは親中国、親韓国の政治家たちの跳梁跋扈が続かざるを得ない。
その間は、本格保守政権待望派達にとっては、安倍晋三に代わる新たなリーダーの登場を待つ辛く長い日々を耐えるしかないのだろう。