安倍晋三が24日17時、入院先の慶応大学病院で記者会見し、体調不良が辞任の理由だったと釈明した。
また、国会を空転させた事で国民への謝罪がないと批判されていたが、「辞意表明が国会冒頭で、特に所信表明演説の直後という最悪のタイミングになり、国政に支障を来し、国民に多大な迷惑をかけたことを改めて深くおわびする」と陳謝した。
会見の内容が冗長で分かりにくいのはいつもの事だが、入院後明らかに痩せてしまった体型に加え、目に力なく声に張りがなく、いかにも病人の風情で見ていて哀れを催してしまった。
ちょうど一年前、安倍晋三は、戦後生まれ初の総理大臣として颯爽と登場した。
支持率は何と70%超。
誰もが期待した保守派プリンスの総理大臣デビューだった。
その時のビデオを見ると、まさに希望と期待に胸を膨らませ、気合いの入った所信表明をしている。
あれからわずか一年でこの落魄ぶり。
「総理大臣として幾つかの大きな実績を残した」との肯定的意見もある。
しかし、圧倒的多数の人々は、安倍晋三を期待外れだったと見ている。
彼は、何をやってもうまくいかない事態の中で、悶々と苦しみ、病魔に体をむしばまれ、最後は矢尽き刀折れ、辞任するしか道がなかったのだろう。
最後の最後まで、国民に直接謝罪する事に拘ったのも、安倍晋三の律義さ、人柄の良さを思わせる。
彼は、政治家としてはあまりに優しく、他人に厳しく出来なかった。
彼が尊敬してやまない祖父岸信介のような、修羅場に来て腹を据えるような豪胆さを持ち合わせていなかった。
結論として、総理大臣になるべき器ではなかったのだろう。
しかし、返す返すも参議院選大敗の後、責任を取って総理大臣を辞めるべきだった。
そうすれば、今回の反省とその後経験で、再挑戦の機会があったかもしれない。
僕は、好漢安倍晋三の今回の結果が残念でならない。