昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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朝青龍と亀田大毅の謝罪会見を見て

思いをじっと胸に秘め、背中で物を言う事が美徳の日本では、基本的にビッグマウスは嫌われる。
しかし最近の風潮として、敢えて反発を覚悟し、自分の思っている事をストレートに表現する人達が出てきた。
そして一般大衆も、自分では出来ない事を有言実行で成し遂げる人達に、「カッコ良い!」と賞賛する傾向も見えてきた。
ところが、一般大衆は残酷なので、賞賛の半面、大言壮語した連中がいつかは失敗し泥沼に陥る事を期待しているものだ。

昨日、二人のヒールが謝罪会見を行った。
朝青龍は、記者会見は無難にこなしたたが、終了後に「チェッ!」と舌打ちし、記者を睨みつけたと報道されている。
あまり優等生になると今後のネタに困ってしまうマスコミとしては、何としても朝青龍に悪役を続けてもらう必要がある。
「そうは簡単に逃がさないぞ」との悪意が見える記事だ。
一方の亀田大毅
元の悪童に戻ったパフォーマンスで、少し無理をしている感じだったが、何せ、およそ二か月前は口さえ聞けなかったほど憔悴していたのだから、よくぞここまで持ち直したものだ。
大変評判は悪かったが、僕は結構温かい目で見ている。

朝青龍、亀田親子、沢尻エリカ上田桃子への報道を見ていると、彼等に対する日本人の複雑な心中が現れているように思える。
いずれの人も、ある時期、喝采を浴びていた。
しかし、いったん潮目が変わるといっせいに非難、批判が集中する。
また、ヒール役を買って出た連中も腹が座っていないものだから、評判が悪くなると、「自分は本当はいい子なんです。」と、すぐに謝って、何とか取り繕おうとしてしまう。
これでは、世間を敵に回す事を厭わず、自分の生き方を通そうとする真のヒールは生まれない。
若者から熱烈に支持を集める歌や物語は、「大人は誰もわかってくれない」的な被害者感情から、時の権力へ反発し反体制のものが多いが、これはヒールを待ち望む思いと一緒だ。
だから、この期待にこたえるべくヒールを気取る人達は、世間の評価など気にせず毅然として常識に立ち向かう意気込みが欲しいが、せっかく現れたヒール達の志が低く、どうにも様にならない結果となってしまっている。

すっかり消え去った沢尻は、舞台挨拶での態度の悪さへ非難が集中すると、泣きながら釈明してしまう。
もともと女優などは、悲しくもない時に泣いたり、うれしくもない時に笑ったりする職業なので、まともな神経ではやっていけない。
だから、大女優になればなるほど我儘で破天荒な性格の人が多い。
気分が悪いときは、堂々とそのように振舞えばよく、「文句があるなら映画を見るな」的開き直りがあってよい。
上田桃子は、賞金と勝ち負けに拘る勝負師であり、「他のスポーツでは金儲けが出来ないから面白くない」と断言すれば良いのに、非難されると「本意が伝わっていない」とすぐに謝る。

多くの日本人は、一流のプレイヤーに一流の人格を求めたがるが、世の中は皮肉なもので、性格円満の人が大事を成し遂げる事は極めて少ない。
才能に恵まれた数少ない人達は、無責任で移り気な一般大衆の評価など一切無視し、己の信じる道をひたすらに突き進む。
そのような生き様に徹し、誰もなし得ないような目標に挑戦して欲しい。

至って平凡な人生を歩んできた者としては、そんな思いを持った記者会見だった。