昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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電車の中で

パスポート延長申請が必要となった。
旅券センターの受付締め切りが16時半なので、少々早めに会社を出た。
いつもは大ラッシュの通勤電車路線だが、時間の関係でガラガラ。

どこにでも座れる状況には不慣れの為、何となく優先席の前で立ったまま読書していたら、途中の駅から若い女二人組が、まさにドヤドヤと乗車してきた。
この二人組、見るからに呆れ驚くような化粧ぶり。
一人は、長さが二センチはあろうかとも思しきマスカラと、ほとんど茶色のファンデーション。
もう一人は、胸元を大きく開け、いかにも寄せ集めたと一目で分かる肉塊を強調し、お召物はと言うと、派手派手な色合いの上着と真っ赤なホットパンツ。
いきなり、大きなガラガラ声と訛声で騒ぎながら、優先席にどっかりと座り込んだ。

と、ここまでは顰蹙者の典型だったのだが、マスカラの方が「あっ、ここ優先席!立とうヨ」と言い出したのには驚いた。
結局は、シートはどこもここも空きっぱなし状態だったので、「マァ良いっか。誰か来たら席変わろう」と落ち着いたが、およそ社会常識からかけ離れたような出で立ちの女性二人組が、優先席の精神を理解している事に感激してしまった。

僕は、基本的に「見てくれ」で人を判断してきたし、それがほとんど正解だったと確信してきた。
ガキじゃあるまいし、ある程度の大人になれば、男でも女でも顔つきにその人の性格が表れるし、所作振舞いやファッションにも人品骨柄が反映されると思い込んできた。
また、電車の中で他人の迷惑も顧みずヘッドフォンステレオから出る不快な人口音をまき散らしながら音楽を聴いている若人や、平気で他人の前で化粧したり、果てはパンやクッキーを貪る馬鹿者どもは大嫌いだった。

今回。電車内で見た二人組は、まさにそのような常識無し連中と全く同類と思い込んだが、稀には外見では判断がつかない、至ってまともな輩もいる事が分かり、ちょっといい気持になった。