二場所連続の東西横綱による千秋楽の同星対決。
先場所は白鵬が朝青龍を裏返しに投げつけ、今場所は朝青龍が白鵬を土俵下に投げ飛ばして雪辱。
大相撲が大いに盛り上がった。
今場所の朝青龍の優勝を喜ぶ人もいるし、残念に思っている人も多い。
僕は前者だが、大相撲の為にも強い朝青龍が戻ってきたのは大いに結構な事だと確信している。
朝青龍が一人横綱で頑張っていたころは、大相撲の人気は最悪だった。
土日といえども満員御礼の垂れ幕が下がらない。
次第に白鵬が強くなり横綱になった事で、朝青龍と二人横綱が実現。
野球でも巨人対阪神、宿命の対決とか好敵手とか、ライバル関係を煽りたてると人気が盛り上がる。
今回の大相撲大阪場所で言えば、万一千秋楽で白鵬が勝っていれば、長く続いた朝青龍時代の終わりが鮮明になり、白鵬時代になってしまっただろう。
大相撲の人気回復の為には、二人の横綱が常に優勝を争い、たまに伏兵が足元をすくうような構図が望ましい。
先場所は、まさに日本相撲協会の思惑通りの展開になった。
最近、朝青龍の仮病事件や時津風部屋のリンチ事件で、暗いムード一辺倒だった相撲界だが、これで何とか一息つけそうだ。
優勝した後の朝青龍のパフォーマンスへの批判が多い。
土俵上でのガッツポーズ、インタビューでの大阪弁と万歳、祝勝会でＶ字で「イェーィ！」。
いかにも直情径行、思った事をそのまま表現する外国人横綱の面目躍如だが、寡黙で自分を押し殺す事を是とする日本人の横綱感にはそぐわない。
その点、白鵬は半眼で鎮座し、「自分の相撲を取るだけッス」しか言わないので、多くの日本人に好意を持たれている。
優等生白鵬と、ヤンチャな朝青龍。
あまりに対照的なモンゴル出身の両横綱の対決で、しばらくは相撲人気も続くだろう。
それにしても、琴欧州はすっかり駄目になったが、それにも増して日本人の大関の体たらくはなんだ！
日本相撲協会とは看板だけ、今やモンゴル出身やロシア出身、ヨーロッパ勢などすっかり国際化してしまった。
日本人力士が互角に戦えないと今の人気が定着する事はないだろうが、さほど有望力士が見当たらないのは困ったものだ。
