昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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扇千景「私の履歴書」のイヤミさ

現役サラリーマンだから日経新聞を購読している。
その他の全国紙に比べ経済記事が圧倒的に多いが、政治的に偏向していると評判の産経新聞の愛読者としては、政治欄やスポーツ欄でも気の利いた記事があるので、中立的意見への修正用として重宝している。
その日経新聞の最裏面に載る「私の履歴書」は目立たない欄だが、ファンも結構多い。
実際に読んでみると、功なり名を遂げた人の生き様が様々に紡がれているので、感銘を受ける事が多い。
最近では、遠藤実の履歴書は出色だった。

そして、現在は前参議院議長を花道に政界を引退した扇千景の履歴書がスタートしたばかり。
彼女はおそらくは幼少の頃から容姿端麗だったのだろうが、「高校生までは色黒で髪も無造作に三つ編みだった」と謙遜している。
しかし分からないのは、宝塚音楽学校を受験した経緯で、「親切な友人が勝手に願書を提出、受験用の服まで手配してくれたのでやむを得ず受験した」なる件。
この手の逸話は、多くの芸能人のデビューのきっかけとしてよく登場する。
曰く、「友人が知らない間に応募した」
曰く、「家族が勝手に写真を送った」等々
要は、「自分は芸能界なんか全く関心がなかったが、周囲から無理やりに押され、仕方なくオーディションを受けたら合格してしまった」と、あくまで自分は決して目立ちたいわけではなかったと言いたいらしい。
これはよくよく聞くと、嫌味に自分の容姿も含めた才能を自慢しているものだ。

しかし、これほど額面どおりに受け取れない言葉も少ない。
大体、かなりの露出癖がなければ芸能人になど絶対になれない。
また、それなりに成功した芸能人に人品骨柄卑しからず、性格円満など期待する方がおかしい。
ましてや扇千景は、その後政治家にまでなっている。
政治家は、押しの強さや自己顕示欲が強くなければ絶対に勤まらない。
また、誇大妄想的要素もなければ、「私に投票してくれたら全てがうまくいく」等と公約は出来ないはずだ。

扇千景は、私生活では旦那の浮気に悩んだりしたが、政治家としては小沢一郎にくっついたり離れたりしながら、最終的には自民党に落着き、参議院議長の名誉まで手に入れた。
そんな女が、本音は「私は周りのだれよりも断然美しかったから、スターになろうと思った」はずなのに、どうしてああも見え透いたシンデレラストーリーで身を飾りたくなるのだろう。