昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

亀井静香の独断と詭弁

亀井静香金融・郵政担当相が、「日本で家族間殺人事件が増えたのは大企業が悪いからだ」と吼えた。
どこかで聞いたフレーズだ。
そうそう、日本共産党は何かと言えば「大企業優先の政策が諸悪の根源」と主張する。
しかしその共産党だって、まさか家庭内殺人事件まで「大企業」の所為にはしないだろう。

亀井は、「小泉純一郎の改革に便乗した大企業が日本型経営を捨て去り、人間を人間として扱わず、下請けや契約派遣に矛盾を押し付ける事で社会がおかしくなった」との論法のようだ。
悪いのは小泉純一郎
自分を自民党から追った小泉憎し!
小泉改革に追随した「大企業」憎し!

しかし、そもそも「大企業」とは何を持って定義しているのだろうか?
「日本型経営」とは何をさすのだろうか?
亀井は、「昔の大企業は苦しいときに内部留保を切り崩し、下請けや孫請けを助けた」と主張する。
だけど、そんなのいつの時代の事だ???!!!
小泉改革とは関係なく、かなり早い時点で企業にとっては収益最優先経営が一般的だった。
亀井の主張は、極めて単純化した論理で仮想敵を作り上げる手法だが、戦犯扱いされる「大企業」はたまったものではない。

家族間だけでなく、学校でも友人同士でも、トラブルが増加しているのは間違いない。
昔はもっと余裕があったから、お節介とも思われるように他人に積極的に関わる文化があった。
しかし、個人主義の横行で、他人に無関心の人種が増えてきた。
また日本人が中途半端に裕福になったものだから、各々の子供に個人部屋を与え、親子や兄弟のコミュニケーションが激減している。
また、ゲームやヘッドフォンステレオの大流行で、子供達は部屋から出てこないし、不特定多数の友人を作る努力もしない。
家族同士でも、誰が何をしているのかが分からないのが現状なのだ。

しかし、それを全て大企業の所為にしても、何一つ問題は解決しない。
むしろ、自民党が主導した高度成長政策の結果、得た物も多かったが失った物もあることを冷静に振り返るべきだろう。
便利な生活を送る為には、不便なものを改造しなければならない。
成績を上げるためには、外で遊ぶより机にしがみつく勉強を優先しなければならない。
その過程で、我々は大事なものを犠牲にしてきた。
大自然もそうだし、家族関係も、友人関係もそうだ。
そういったものの集大成が、犯罪の増加であり、家族関係の崩壊にもつながっている。
別段、大企業だけが悪いわけでもなく、小泉純一郎が諸悪の根源でもない。

亀井静香のような単純明快な論法は、「大企業」に反感を持つ大衆の喝采を浴びるかもしれない。
しかし今は、「自分もまた知らず知らずのうちに犯罪の増加に加担していたのかもしれない」との、冷静な反省が必要なのであり、他人の所為にするべきではない。