昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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企業年金は破綻します!

退職金をもらう段になると、「企業年金と現金のいずれにするか」を打診される。
半分半分にする人が多いようだ。
長い事世話になった会社への感謝の思いや、長期にわたる賃金保障が魅力的に映るものらしい。

だが、悪い事は言わない!
全額現金でもらう方が絶対に安全だ。

会社にとって企業年金は、退職金用の一括資金手当てが不要な制度として重宝だ。
且つ、集めた退職金をファンドとして高利回りで運用すれば、退職者に約束した生涯年金を払い続ける事ができる。
多くの会社がそう考え、積極的に企業年金をPRしてきた。

ところが、昨年からの世界不況で世の中が一変。
収益が低下してしまった企業にとって、高利回りの企業年金は一気に負の遺産になっている。

JALなんぞ、その典型だ。
高給取り集団だったJALのOB達は、世間の常識以上の企業年金を約束されている。
ところが今のJALは、もはや政府の支援なくして成り立たないほどの窮地に追い込まれている。
公的資金注入に際しては、JALの自助努力を強制され、その中に、企業年金の負担を減らす事が入っている。
JALは必死にOBを説得するが、OBにも生活があり、おいそれと言う事を聞くわけにはいかず、強く抵抗する。
企業年金の条件変更には、三分の二以上の同意がいるが、まずはOBの賛同は得る事が出来ないだろう。
勢い、「ではOBは仕方がないので従来通りで、現役から利回り利率を下げる」との妥協案となる。
現役社員は、まだまだ会社に遠慮せざるを得ないので、しぶしぶ受諾する。
企業年金の改定を図るほとんどの企業が、同じ道をたどる事になる。

ところが、OBと格差をつけられる現役社員は、こんな企業年金に魅力を感じるはずがない。
当然ながら、一括で退職金をもらう方を選択してしまう社員が増えてしまう。
そうすると、企業にとって退職金手当で資金繰りが悪化すると同時に、企業年金の資金が不足してくる。

また今の経済状況では、もはや安全で安定している投資先など期待薄で、ハイリスク・ハイリターンのギャンブル的投資に踏み出すしか方法がない。
早い話が、企業年金を高利回りで運用することなど無理になっているのだ。

よって、自らを守る為には、企業年金のような夢物語に期待することなく、自分で現金を握りしめ、コツコツと小さくローリスク・ローリターンで資金運用しながら生きていくしかない。

もしも既に企業年金に加盟しているのなら、どこかのタイミングで全額引き出す事です。
また、今からどちらかを選択する立場の人なら、全額一括で退職金にする事です。
今からの企業には、今後ますます増える退職者の老後まで面倒を見るだけの力はありませんゾ。