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米露が合意しても核兵器はなくならない

いきなり米露首脳の快挙に水をさすようだが、いくら両国が合意しようと核兵器はなくならない。

オバマ大統領は、単に核のない世界を夢想しただけでノーベル平和賞を貰った。
さすがに少しは責任感があるようで、米露の戦略核兵器を史上最低限レベルまで落とし、核拡散を防止したいとの考えでロシアと交渉したようだ。
しかし、減らすと言っても相変わらずアメリカが世界最大の核保有国である事は変わりない。
ロシアも似たり寄ったりなので、そんな米露が他国の核保有に文句を言う事自体、誠に説得力がない。
今回もイランの核開発を非難しているが、イランにしてみれば「聞く耳持たず」だろう。

北朝鮮のブラフ外交を見ても、核兵器は間違いなく取引の材料になる。
日本は、事あるごとに「世界で唯一の核被爆国」の立場を訴えるが、被害にあったことがない国々には単なるセンチメンタリズムでしかない。
日本が経験した惨劇は、皮肉にも武器としての核兵器の有効性を証明したようなものだ。
米露が理想論を掲げても、また日本がお涙頂戴のように核兵器廃絶を訴えても、発展途上国は次々と核開発を続けるだろう。

東京都知事選(だったかな?)の泡沫候補だったドクター中松は、「テポドンUターン発明」を訴えていた。
候補者のキャラクターや、荒唐無稽な公約の一つだったのでまるで注目もされなかったが、僕は密かに核兵器を根絶する為には、持っている事が危険な状態を作るしかないと思ってきた。
「どうやって?」と聞かれると答えは分からないが、世界中の技術の粋を集めてドクター中松アイディアのUターン技術とか、あるいは核兵器自爆システムを開発すれば、あらゆる核保有国は我れ先に核兵器廃絶に向かうだろう。

国際社会での正義や大義名分は、平和主義や人道主義に基づくものではない。
先ずは自国の利益が最優先されるものであり、結果としては武力を含む背後の国力によってのみ実現できる。
これは残念ながら厳然たる事実だ。
民族、宗教が入り乱れ、価値観が多様化している現代社会で、「核兵器は悪い武器だ」と正論を主張しても、弱者からしか賛同は得られない。

日本式理想論を通す為には、世界を相手に取引できる材料を用意しないと誰からも振り向いてもらえない。
経済援助や技術貸与のような平和的手段で核兵器根絶を目指しても、その原資は全て国民負担になる。
本来なら世界中の誰もが納得し賛成してくれるはずの核兵器廃絶の為に、そんな覚悟が必要だ。
しかもそこまでしても尚、多くの発展途上国は経済援助は頂きながらも核兵器開発は継続する。
究極は、日本が核兵器廃絶の訴える為に、日本が核兵器を開発する。
そんなありえない逆説でしか実現性がないほどに、美しい言葉の羅列では核兵器廃絶は困難だ。