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オバマのノーベル平和賞受賞?!

オバマ大統領のノーベル平和賞受賞について、世論はおおよそ二つに分かれている。
一つは、アメリカ大統領が核廃絶を訴えた事を高く評価し、この受賞で更に核のない世界が近づく事を期待する声。
もう一つは、オバマは単に核廃絶への希望を宣言しただけで、具体的には何一つ実績を上げていない事から、「受賞は早過ぎ」との疑問。
いずれも正鵠を得ている見解だろう。
オバマ大統領自身も、「受賞は私の業績への評価とは受け止めていない」と「驚き、謙虚に受け止めている」と声明を発表した。

これほど意見が分かれてしまう今回のノーベル平和賞だが、考えてみれば今までだって首を傾げたくなる受賞者が多かった。
最近では、アル・ゴアが「地球温暖化の危機」を訴え受賞したが、本人は超豪華な家で贅沢三昧な生活を送っていると批判された。
ジミー・カーターも受賞しているが、彼のお陰で世界の紛争が減ったなんて寡聞にして聴かない。
2000年の金大中に至っては、韓国では「この賞の為に北朝鮮に賄賂を贈った」事が実しやかに噂されていた。
エジプトのサダトイスラエルノベギン、アラブのアラファトイスラエルのペレスも同時受賞しているが、パレスチナ紛争は激化する事はあっても解決への目処すらたっていない。
その昔は、我が総理大臣佐藤栄作も「非核三原則や、アジア平和に貢献」を理由に受賞しているが、日本がアジア平和に貢献した実例などほとんどないし、最近になると日米密約の存在が明らかになるなど、受賞理由はすっかり色褪せている。

マザー・テレサなどもノーベル平和賞の受賞者だが、やはり政治絡みの受賞が多いのも特徴だ。
日本の某大宗教団体の教祖様も、常々この賞の候補者に名が挙がる等、他のノーベル賞に比べても、受賞理由が最も政治的であり、且つ最も分かりにくいのが平和賞なのだ。

今回のオバマ大統領の場合、確かに彼は「核のない世界実現」と演説した。
しかし、これこそが詭弁そのものであり、実は世界で圧倒的に核保有しているのがアメリカとロシアなのだから、本当に核のない世界を目指すのなら、簡単明瞭、有言実行で、自ら次々と核兵器を捨て去れば、少なくとも世界の半分近い核兵器が消滅する。
出来もしないような目標を掲げるだけでノーベル平和賞受賞など、あまりに自分勝手で都合が良すぎる。

と、腹が立つのが普通なのだが、これをもっと意地悪く見れば、オバマが演説だけで事を終わらせないよう、ノーベル平和賞を与える事で、実行を迫ったとも考えられる。
いっそ、ロシアのプーチンにも何らかの理由をこじつけてノーベル平和賞を贈り、「あなた達お二方はノーベル平和賞受賞者なのだから」と煽て上げながら核兵器廃絶を迫れば、その気になってしまい、お互いに少しは自国の核を減らすくかもしれない。

もっとも、アメリカやロシアだけでなく、世界中には貧乏で国民は飢えているのに、国家としては核兵器を持とうと画策している国が多い。
ことほど左様に、外交手段としての核兵器の重要性は、ますます強まっているのが世界の実情だ。
単に「核兵器のない平和な社会が実現すれば嬉しい」と願っているだけでは、核兵器が減少する事はない。

万が一にも、今回の受賞を切っ掛けにオバマ大統領が率先垂範で核兵器廃棄に動けば、ノーベル平和賞の受賞者に彼を選んだ深謀遠慮の甲斐があったと思う事ができるのだが......。