昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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美しき首都ワシントンDC

長らくアメリカの首都は大都会のニューヨークと思っていたが、実はワシントンDC。(そんなのジョーシキ!)
そして美しき町に、かの世界の指導者オバマ大統領とその家族が住んでいる。

天候は、これ以上ないほど雲ひとつない青空。
ここは大した工業もなく、汚染物質は精々車の排ガス程度だろうし、至る所に緑が多いので空気もきれいになるのだろう。

ワシントンはコンパクトな町で、道路が碁盤の目のように整備されている。
到着翌日は、先ずはリンカーン大統領暗殺の舞台フォードシアター見学から。
午前9時半、既に一階席はほぼ満員、二階席もかなりのアメリカ人が陣取っている。
風采の上がらないオジサンが、浪々とリンカーン暗殺の経緯を説明するのを、あの騒がしいアメリカ人達がシワブキ一つ立てずに聞き入っている。
約30分間、原稿も見ずに浪曲師のような調子で吟じ挙げるのはなかなか天晴れ!
説明が終ると、聴衆から一斉に拍手が起きる。

次は、スミソニアン財団が経営する国立歴史博物館とワシントンナショナルギャラリー(美術館)巡り。
他の都市では考えにくいが、これらはいずれもタダ。
その所為か、大勢の小学生が団体で押しかけている。
あの陽気なアメリカ人の子供だから、その五月蝿い事、煩い事。
ただ、課外授業風景に出くわすと微笑ましい。
先生が展示物の説明をすると、子供達が手を挙げて意見を発表している。
わずか二百年の歴史しかないアメリカは、その劣等感の裏返しか、子供達への歴史教育には大変熱心のようだ。

この美術館に、例のフェルメールの絵が四点ある。
その他にも、ピカソゴッホレンブラント、モネ、モジリアニ、ルノアールロートレック等々、誰もが名前を聞いたことのある巨匠の絵がゴロゴロ。
見ごたえはあるが、結構くたびれる。

一旦ホテルに戻り、英気を養った後、アーリントン墓地へ。
ここに、ジョン・F・ケネディとジャクリーン・オナシスが並んで埋葬されている。
奥方は再婚、旦那は浮気三昧だったはずだが、死んだ後は恩讐を越えて一緒に眠っているのだろうか。
そばには英語ではTomb of Unknown Soldiers無名戦士の墓がある。

その昔、会社で現場責任者として厳しい仕事に取り組んだ時、全ての退路を断ち切り「絶対に成功させよう。その気でやれば必ず出来る!」と、仲間を叱咤激励した事がある。
その時に、「アメリカの兵士を見習おう。彼等は使命達成の為に命を懸ける。不幸にして死に至った時でも、無名戦士でも国家がアーリントン墓地に祭ってくれる。我々も一緒だ。」
そして、「使命を達成して、アーリントン墓地で会おう」をスローガンに、遮二無二業務に突入した結果、半年もしないうちに期待以上の成果を上げる事が出来た。
最初は半信半疑だった仲間達も、やり遂げた達成感からその後の仕事振りが一変するような画期的な出来事だった。
勝手に名前を活用させて貰ったアーリントン墓地を、初めて訪問したのは感無量の思いだ。

その後、徒歩でリンカーン記念館へ。
歴代アメリカ大統領の中でも、演説の名台詞と暗殺との悲劇的な死で人気ナンバーワン。
馬鹿でかい石像の前に、赤いユニフォームを着た子供達が雲霞のように集まっていた。
胸にSCMSのマークがある。
「何の略か?」と聞くと、マークを指差しながら「ナンタラ中学, in Miami, Florida」と、胸を張って誇らしげに答える。
マイアミから修学旅行で、ワシントンに来たようだ。
ただ田舎者ゆえに英語の発音が悪く、また聞き手の当方が英国流キングズイングリッシュの方が得意(?)の為、後半の「Middle School」は聞き取れたが、前半の地名部分は何と言っているのか分からなかった。

今回のワシントン散策で、オバマ大統領に会ったらサインでも貰おうと楽しみにしていたが、彼は忙しいのだろう、残念ながらそんなチャンスに巡り合う可能性はゼロ。