昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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丹羽宇一郎中国大使にハンタ~イ!

伊藤忠の中興の祖と言われる丹羽宇一郎が、中国大使に就任するらしい。
スタートしたばかりの菅直人政権は、政治主導を印象付ける為に、民間人を異例の抜擢する積りのようだ。

「官僚は全て悪」と決めつけている人達への人気取りにはなるかもしれないが、国際政治の世界はそんなに甘くはない。
ましてや世界屈指の権謀術数の国、中国大使に、何ら専門的な知識もない素人をあてがうのはリスクが大きすぎる。

僕は、丹羽宇一郎の事を詳しく知っているわけではない。
一度ゴルフ場で出会っただけだが、その時はごく普通のオッサンで、カリスマ性など微塵も感じなかった。
確かに丹羽宇一郎は、伊藤忠では大成功した経営者だ。
しかし絶対に忘れてはいけないのは、日本の民間会社の社長に対しては、足元からの反乱は極めて発生し難い事だ。
意外にも民間会社では、社長は封建領主並みの権限を持っている。
人事権を把握する事で部下の生殺与奪の権限を持つので、大半の社長はゴマスリの取り巻きに囲まれる。
その結果、やる事なす事上手くいくような錯覚に陥ってしまう。
また間違った指示を出しても、社長が傷つかないように周りがガードしてしまうので、よほどの失態をしでかさない限り、世間に社長が無能だとは分からないものだ。

別に、伊藤忠丹羽宇一郎が無能だと言っているわけではない。
しかし、彼が成し遂げたと言われる伊藤忠の復活も、決して彼だけが優れていて達成されたものではなく、むしろ彼を主役に押し立てた黒子グループの作業だったと思って間違いない。
社長なんて、そんな神輿に乗っていれば、「稀代の指導者」と囃したてられる。

では、中国大使はどうだろう。
今度は、まさに国益のためなら何でもありの中国を相手に、日本を代表して国益を守る為の高度な駆け引きや交渉力を必要とされる。
民間の社長のように、周りが全てをお膳立てしてくれる事もない。
最後は、日本代表としてたった一人で百戦錬磨の中国を相手に立ち向かわなければならない。

中国大使は、民主党の人気取りの為に、何の訓練もされていないのに民間から人選するような、軟な仕事ではないはずだ。