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菅直人首相への疑問

「9月民主党代表選では菅直人の再選を支持する」と、引退して次はないはずの鳩山由紀夫が蠢き始めた。
「首相になったばかりの菅直人を、短期間で変える事はよろしくない」との理由らしい。

これは絶対おかしい!
安倍晋三以来の首相が一年も持たないのは、政界に人材がいないからに他ならない。
やむを得ないのだ。
現にこの間の五人の中に、首相を続けて欲しいと思わせながらその地位を去った政治家は皆無。
それが今の政界の実態なのだから、首相がコロコロ代わるのは仕方がない。

正直に告白すると、僕は不覚にも昨年の一時期、民主党に淡い期待感を持っていた。
民主党と言うよりも、政権交代への期待感だったかもしれない。
自民党で三代続いた、ヘヤチョコ首相への絶望感もあった。
民主党の若手に垣間見えた清冽さに、自民党に無い物を見た思いもあった。
しかし舌鋒鋭く年金問題を追求して「ミスター年金」との称号まで得た長妻昭は、厚生労働大臣になった途端まるで輝きをなくし、今や無能大臣の代名詞となっている。
原口一博も、野党時代には切れ味を見せていたが、大臣になると一気に保守化、亀井静香のお先棒を担ぎ、郵政民営化見直しに躍起となっている。

しかしこんな連中への失望よりも、菅直人が首相を続ける問題の方がよっぽど大きい。
そもそも菅直人の国家観が分からない。
中国が主張する南京大虐殺への姿勢や、日の丸・君が代への対応を見ると、「進歩的反日」政治家かなとも思うが、首相になると日米関係の重要性と同時に、突然中国G8参加を提案する。
そもそも菅直人は、橋本内閣の厚生大臣として、官僚が隠していた薬害エイズ関連資料を公開し一気に人気爆発したが、北朝鮮拉致実行犯で死刑囚の辛光洙釈放嘆願書に署名しており、彼の消せない忌まわしい過去として有名だ。
彼にとって「厚生官僚、日米韓の政治同盟は悪であり、薬害エイズ患者、中国は善」が判断基準なのだろう。
市民運動家だった頃のDNAが強く残り、常に権力に反対するのが彼のアイデンティティだったようだ。
年金問題自民党議員を「未納三兄弟」と揶揄、小泉純一郎政治を「ヤルヤル詐欺」呼ばわりと、些か品の無い言葉で人を攻撃する事は得意のようだが、自分も年金未払いが発覚したり、「東京と愛知県は子供を産む生産性が悪い」と脱線発言したり、自分の事となると大いに脇が甘い。
自民党の首相交代を「政権たらいまわし」と批判していたのが、ブーメラン現象で自分への批判として返ってきても、9月民主党代表への立候補をやめ衆議院を解散して民意を問うような気配はない。
何より、財務相として消費税率アップに言及したのに、評判が悪いと分かるとあっさり前言撤回に至る「言葉の軽さ」と無責任体質が、国家指導者としては不適格と思えてならない。

確かに、ここで菅直人が首相を辞任したら、国際社会ではカッコ悪いかもしれない。
しかし言行不一致の言い訳首相がこれ以上続くのに比べれば、遥かに被害は小さい。
誰が首相になっても菅直人とは同等以上のはずだし、例え出来が悪くても今の状況と大差ない。
明らかに適性を欠いた人間が日本の首相として居座ると、最悪の事態をもたらす。

菅直人は、野党党首が似合う政治家でしかない。