昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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金賢姫の来日は意味があったのか?

まさに国賓待遇で泰山鳴動だった金賢姫初来日だったが、本日午後離日。
しかし、一体何の為の来日だったのだろうか?
わざわざ夜間にお迎えの専用機を飛び立たせ、日本でも有数の金持ちボンボン、鳩山由紀夫の別荘に宿泊。
挙句は、専用ヘリコプターでの東京観光。

まさに至れり尽くせりの大サービスだが、肝心要の拉致被害者の新情報はほとんど無し。
拉致被害者家族は、金賢姫に直接面会し、彼女の人柄や子供や家族の話が聞けた事にそれなりに満足していたようだが、はっきり言ってあんな程度なら、わざわざリスクを冒してまで大騒ぎして日本に呼ぶ必要はなかった。
そもそも今回、金賢姫から新たな重大証言の可能性は懐疑的に見られていた。
唯一の見せ場かもしれない「田口八重子さんから教わった料理を作ってあげたい」との約束が守られた話も聞かない。
金賢姫は「被害者は必ず生きています。希望を持って頑張ってください」と何度も繰り返したらしいが、鳴り物入りの来日だけに、この程度のリップサービスでは何とも拍子抜けだ。

ここまで来ると、どうやら今回の大騒ぎは、民主党の人気回復策だったとしか思えない。
思えば2004年、小泉純一郎が電撃的に北朝鮮を訪問、五人の拉致被害者を連れ帰った事で、それまで凋落気味だった支持率を一気に回復した。
どう考えても今回は、その二番煎じの目晦まし作戦だ。
韓国で死刑判決を受けながら恩赦で釈放された金賢姫を悲劇の美人主人公に見立て、拉致被害者家族との面会を通じて、北朝鮮の日本人拉致問題が恰も解決に向かっているかの如くに見せる。
そんな魂胆が丸見えなのだが、具体的には何一つ進展したわけではない。
まるで鳩山由紀夫が「米軍基地を最低でも県外に」との甘いリップサービスで、沖縄県民の気持ちを弄んだ基地問題と一緒の様な気がしてくる。
変に解決への期待を持たされた拉致被害者の家族が、よくぞ自制的に対応したものだ。

僕は、「金賢姫は犯罪人なのに特別扱いをするのはおかしい」との論調には与しない。
彼女の証言がなければ、大韓航空爆破事件が北朝鮮の犯罪だった事が分からなかったかもしれないからだ。
彼女が、自分の仕出かした犯罪を真摯に反省、北朝鮮を告発している姿勢に嘘はないだろう。
金賢姫が、北朝鮮の国家犯罪では重要証言者である事は間違いないのだが、しかし北朝鮮の日本人拉致問題では「田口八重子さんに日本語を教わった」とか、「過去に横田めぐみさんを見た」程度の情報しか持っていないはずだ。
1984年の話をされたって、懐かしさは感じても、事態解決にはまるで役立つとも思えない。
そんな彼女を、拉致問題解決のキーパースンと仕立てるのには無理がある。

民主党の奇策も、あまりにお粗末な結果しかもたらさないと却って逆効果になる。