昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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法人税切下げの方向違い

菅直人の「リーダーシップ」で、法人税が5%切り下げられた。

日本の法人税は、世界的には突出して高い。
企業の国際競争力を削ぎ、有力企業の国外脱出が後を絶たない。
それは事実だが、財源難の現在、喫緊の課題は法人税をいじる事ではない。
財源の目処が立っていないとなれば、結局は国債発行の借金体質になってしまう。
財源の一部は実質増税から充当されるなら、国民から企業への利益移転でしかない。
富裕層への狙い撃ち増税で非難をかわす腹積もりのようだが、実はこの層こそ一番購買力がある。
企業の収益がいくら改善されても、消費が冷え込み、景気回復が遅れる。

菅直人は、民主党代表選挙では「一にも二にも雇用」と叫んでいたが、法人税切下げで雇用が促進される保証など絶対にあり得ない。
例によって愛想笑いを全面に浮かべ、菅直人は「これで雇用促進の約束を」と経団連にオネダリしたが、米倉会長の答えは、「当然ながらお約束はできません」と鮸もない。
「当然ながら」と前ふりが付く程だから、この菅直人のお願いが如何にピンボケか分かろうと言うものだ。
企業は、事業継続上必要だから雇用を計画するものであり、5%分利益が残ったから人を増やそうと思う経営者など存在しない。
また5%納税額が減ったので、給料を増やしてやろうとする心の優しい経営者もいない。
ましてや、例え法人税が35%になっても、依然として海外に比べると圧倒的に見劣りがする税率でしかない。
更に10%の切下げを視野に入れた第一歩なら評価も出来るが、わずか5%を「私の決断で」と見栄を切る程大袈裟な話でもなく、日本企業の国際競争力回復など到底覚束ない。
菅直人は、代表就任直後の消費税議論で選挙にボロ負けしたトラウマから、消費税には手をつけられない。
所得の低い人に増税すると反発を招くが、「富裕層」なら世間受けも良い。
更には評判の悪い「首相のリーダーシップ不足」を払拭したい。
そこで、「ここは思い切って」と法人税減税を演出したが、これはどう考えても人気取り政策の単なるパフォーマンスでしかない。

菅直人は、支持率が急落している事が不安で仕方がないようだ。
将に、恥も外聞もなく、必死に人気回復を画策している。
小沢一郎の切り捨ても然り。
諫早湾の開門然り。
沖縄へのバラ撒きも然り。
発作的に発言した、海外邦人救助への自衛隊派遣も然りだ。

菅直人は清新な市民運動だったかも入れないが、権力の味を知ると共に堕落した。
この期に及んでも。恋々して自分の地位を守る事だけしか考えない菅直人を見ると、もはや政治家としてだけではなく、人間性にも大いに疑問を感じる。
こんな総理大臣が居座る限り、我々の未来は決して明るくはならない。