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台風で太陽光発電設備が火事に

僕はその昔、太陽光発電関連の仕事をしたことがある。

その為、一般の人よりも太陽光発電の問題点も把握している。

福島原発の大事故以来、原発の安全性に不安を持つ人たちの多くが、太陽光発電に大きな期待をした。

そこで、クリーンエネルギーとして大注目されたのが、残念ながら太陽光発電にはそんな実力はない。

 

太陽光発電の最大の弱点は、コストがべらぼうに高いことだ。

それは、今現在も深刻な問題だし、将来に亘って解決できる目処もない。

太陽光発電用設備は、実に簡単な構造でできている。

基本は、発電部分のシリコン(薄膜の場合は他の元素で代替する)、アルミ製外枠、ガラス、封止材の四種類を組み立てるだけだ。

テレビや車も、同じ組み立て産業だが、こちらは使用する部品の数が違う。

自動車などは、3万点以上の部品を組み立てる。

その分、各々の工程管理だけでなく、それぞれの工程の引継ぎが難しく、自動車産業への新規参入は極めて難しい。

自動車会社は、日本ではトヨタ、ホンダなどの超大企業だけだし、世界中見渡しても数えるほどしかないのがその証拠だ。

 

しかし太陽光発電は、ビスなども含めて精々20点程度の部品組み立てなので、誰でも簡単に参入できる。

ある時期、太陽光発電と言えば日本大企業の独壇場だったが、あっという間に中国企業に席巻されたのは、実に簡単なプロセスで製品を作ることができるからだ。

しかも更にややこしいことに、製造が簡単な分、コストダウンの余地が少ない。

各々の部品価格が急激に下がらない限り、コストは現状通りになってしまう。

仮に原材料価格が暴落してコストダウンができたとしても、それはイニシャルコスト分だけで、ランニングコストの方は、大幅な発電効率改善しか手がない。

そしてそれは、太陽光発電がこの世に誕生して以降数十年経過しても尚、わずか1%とか2%アップとかが実績となっている程度の、まるで見果てぬ夢でしかない。

その結果、他の発電手段に比べた太陽光発電コストは、二倍のキロワット当たり40円を超しているのが、隠し果せない姿なのだ。

 

コストの高い電力を使うと、どこかでその分を負担せざるを得ない。

現状は、差額分に税金を投入して穴埋めしているが、太陽光発電が増えれば増えるほど、税負担が増えてしまう。

環境先進国として、太陽光発電導入に熱心だったドイツやスペインでさえ、この高額税負担に耐え切れず、太陽光発電を縮小した。

しかし日本では、本家ヨーロッパが撤退しているタイミングなのに、憲政史上最悪首相だった菅直人が、自己保身と延命のために脱原発太陽光発電導入政策を打ち出した。

これに政商、孫正義が加わると言う、最悪のコンビが誕生し、今に残る大愚策「メガソーラーシステム」が導入された。

プロレスの、ブッチャーとタイガー・ジェット・シンがタッグを組んだようなものだ、

この時の太陽光電力の買い上げ価格が、孫正義が大儲けする超高値レベルに設定されたので、全国で一気に太陽光発電バブルが巻き起こった。

当時、身内の民主党からですら辞任要求が出ていたほど劣悪首相だった菅直人に、孫正義は「30年間、首相を続けて欲しい」と言った。

孫正義が、自分さえ儲かれば日本などどうなってもいいと考えている証拠として、我々は絶対に忘れてはいけない、

 

そして今、そのツケが全国を襲っている。

今回の台風15号直撃で、関東地方は大被害を受けたが、その中に市原地区水上メガソーラー設備の火災発生がある。

何でも、台風による強風の所為で、火災が発生したらしい。

台風で火災が発生するのを防げないシステムもおかしいが、実はメガソーラーは全国の人里離れた山合いに設備されているケースが圧倒的に多い。

しかもその全てが、無人運転だ。

それが台風程度で発火するとなると、山火事に延焼するリスクが大きくなる。

メガソーラーシステムは、設備段階で日本の自然を破壊しただけでなく、その運転でも日本中を危険に晒しているのだ。

 

太陽光発電は、天候次第で発電能力が落ちてしまうのも致命的な欠点だが、それ以前にこんなリスクを背負った電源が、原発の代替になるはずがない。

今回の台風でも、かなり広い範囲で停電が発生している。

僕も一度、国道の自動車事故で配電盤が破壊され、半日の停電を経験した。

その時に痛感したが、今のご時世では電気が止まると、まるで生活できないのだ。

今や、夏の猛暑、極寒の冬には、冷房、暖房が必須で、これも電力に依存している。

停電で、それらの機能が全てストップするケースなど、誰も想像出来ないだろう。

各家庭でもそうだが、大病院や大型施設で長期に停電となったら、例え自家発電設備があっても、それで凌げる期間は限られているから、大惨事は避けられない。

 

電力の安定は、我々の全ての生活の基盤だ。

努々、電力の重要性を忘れてはいけないし、それを不安定な太陽光発電や再生可能電力に頼るのはリスクが多き過ぎる。

各家庭が、屋根に太陽光発電設備をつける分には、国民の環境意識を高める効果があって無駄ではないだろう。

しかしそこでも、税金が投入されない限り、設備投資資金を回収することはできない

ましてや国家運営の基盤となる電力の安定は、国策の筆頭に位置付けられるものだ。

返す返すも、アンポンタン首相、菅直人と、電力供給を金儲けに利用した極悪政商、孫正義の仕出かした罪の深さが無念だ。

 

為政者を間違えると、取り返しがつかない。