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福島第一原発の爆発事故と政府対応

休日のテレビは、全局東日本巨大地震の報道一辺倒。
その中で、福島原発が爆発事故を起こした。
ただでさえ電力不足状況に陥る程の大災害なので、踏んだり蹴ったりとはこの事だろう。
福島第一原発の敷地内で測定された放射能が、1時間で一般人が年間に受ける許容量に匹敵する程の量らしいので、専門家は「重大な現象が発生している」と警告していた。
報道を見ると、素人にはかなり深刻な事態に見えるが、政府対応はどうも胡散臭い。

阪神淡路大震災の時、村山富市自衛隊の出動を躊躇し、被害が更に大きくなったと批判された。
政権運営で袋小路に陥っていた菅直人は、これこそ人気回復のチャンスでリーダーシップの見せ場と思って、陣頭指揮に拘っているようだ。
自衛隊の大量投入発表は良しとしても、放射性物質を放出せざるを得なくなっている福島原発を視察した為、対応に追われた現場が却って混乱したと批判されている。
しかも、やっと12日午後8時半過ぎに記者会見した内容は、全く抽象的で無内容。
福島原発については官房長官から説明」と下駄を預け、サッサと退場してしまった。
あんな程度なら、わざわざ時間をとってまで話す必要などない。

続いて枝野幸男官房長官は、福島第一原発に爆発的事象があった」と認め、「原子炉はコントロール下で放射能を放出している。冷静に対応してほしい」と発表した。
「コンクリートの建屋が爆発しただけであり、格納容器は破損していないので、放射性物質が大量に放出されるものではない」
「爆発後の放出量は、低下しているので、不安はない」
「従来の半径10km避難区域を20kmに拡大するのは念の為に」
と、不安感払拭に重点を置いた記者会見に終始し、今後深刻な事態に陥る可能性がほとんどない事をと強調した。

ところが翌日になると、今度は別の三号機が原子炉の冷却機能を全て喪失する事態を招いた。
しかも150人程が被爆した恐れがあるらしい。
国際原子力機関の安全基準でも、今回の事故のレベル4は、12年前に茨城・東海村で起きたJCO臨界事故に並ぶ国内で過去最悪のケースだと言う。
枝野が安全の理由として挙げていた放射能の放出量低下も、13日には基準を遥かに超える事態を再発させている。
どう見ても、安心できるレベルとは思えない。

原発事故と言えば、チェルノブイリ事故を思い出す。
1986年、チェルノブイリ原発での炉心溶融で爆発事故が起きたのだが、当時のソ連政府の対応の遅れや秘密主義の結果、広島に投下された原爆の500倍にも及ぶ放射能周辺諸国へも撒き散らされた被害となった。(「少年マガジン」で読んだ覚えがある)

今回の福島第一原発の事故については、先ずは日本政府と東京電力の正確な情報公開が絶対に必要なのだが、矢鱈と優先的に安全性を主張されると、またも政治のミスリードで被害が大きくなるのではと不安になってしまう。