元来、権力を持つ者は好きではない。
些かひねくれ者なので、時の最高権力者に対しては文句を言うケースが多かった。
小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、そして麻生太郎。
政権交代で民主党政権が出来た後は、失政に次ぐ失政で、民主党が政権担当能力がない事を、自ら見事に暴露してしまった、ルーパー鳩山由紀夫。
読み返しても、政権の総理大臣に対しては、厳しい辛口記事が多い。
そして昨年、総理大臣は問題の菅直人になった。
僕は総理大臣に対して好き勝手な事を書いてきたが、誰に対しても吐き気を催すような嫌悪感を持った事はなかった。
だから、一方的に文句を言いながらも、どこかにまだ期待していた部分があった。
ところが、唯一人の例外が菅直人だ。
菅直人に対してだけは、即刻総理大臣だけではなく国会議員さえ辞めて欲しい。
それほどの憎悪を感じている。
何よりも、未曽有の地震、津波、原発事故さえ自分の政権維持に利用する、その志の卑しさが耐えられないほど嫌いだ。
政治主導や自分の指導力を誇示したい余り、まるで余計な視察を繰り返し、却って事態を悪化させる。
その政治判断の貧しさと、身勝手な行動が嫌いだ。
身内の民主党国会議員からでさえ、「自己弁護が過ぎる」と呆れられるほど、自分への批判を聞く耳を持たない。
そんな許容量の狭さが嫌いだ。
そもそも、福島原発の初動対応の失敗で、福島だけでなく東北・関東地区住民に多大なる迷惑、しわ寄せが襲っているのに、その責任を感じている風ではない。
菅政権の原発事故への対応は、「一定程度支持されている」と言いきるその厚かましさは、能力だけでなく、人格の根本に問題があるとしか思えない。
小沢切りの同志だった仙谷由人ですら、自分の政権維持への不安材料となった途端に遠ざけてしまう。
その結果、更に政権担当能力が低下してしまう。
しかしこの期に及んでも、菅直人の関心は一日でも長く政権を続ける事だけ。
言うに事欠いて、「財政改革の目処がつけば政治家としては本望」とは。
菅直人の自己満足の為に政治があるのではない。
世論調査では、菅直人の原発対策への不満は遥か過半数を超えるが、一方は菅政権交代を求める声は少ない。
そんな馬鹿な事はない！
菅直人には、福島原発事故を終息させ、避難所で不自由な生活を送っている被災者を救いだす政策担当能力は絶対にない。
第一、 菅直人が事故処理について、いくら楽観的な希望を発信しても、現実の福島原発は日を追うに従って悪化の一途であり、未だ解決の目処すら立ってはいない。
「こんな時期に政治空白を作ってはいけない」との尤もらしい意見があるが、会議だけを乱立させた今の菅政権では既に政治空白が出来てしまっている。
菅政権が続けば続くほど、日本中を災厄のどん底に落とし込んでいる現状の解決は遅くなる。
そんな事は誰もが分かっているはずなのに、政治が混乱すると、事態の解決を遅くするとの観念的な思い込みから、与野党が力を合わせるべきとステレオタイプに信じ込んでいるにすぎない。
危機管理のスペシャリスト、佐々淳行は、｢直ちに総理大臣を代えるべき｣と主張した。
司会者から「民主党に変わるべき人材はいますか？」と問われると、「Everybody but 菅」（「菅以外なら誰でも良い））と答えた。
僕も全く同じ意見だ。
誰でも良い、菅直人以外なら。
菅直人は、能力欠落だけが問題なのではない。
菅直人は、政治に賭ける姿勢そのものが日本を危機に陥れる、最低最悪の総理大臣なのだ。
その事を、多くの人に理解して欲しい。
