昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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相性の悪い人

長らく宮仕えをしてきた。
その間、たくさんの良い人に巡り合い、良い影響を受け、楽しい人生だった。
感謝、感謝なのだが、世の中、そんな絵に描いたような良い事ばかりではない。

サラリーマンとしては、むしろ恵まれない時期の方が長かったかもしれない。
自分が正当に評価されないのが、一番の不満。
実際は自分にも問題があったり、あるいは充分な成果を挙げていないにも拘らず、そんな事は全部棚上げして、相手側に不満を募らせる。
今、冷静に振り返れば、自分の至らなさに思い至るが、若い頃はそんな余裕がなかった。

無論、単に相性の悪い人もいた。
とりわけ上司と、仕事に関する根本の考え方が違うと苦労が多かった。
仕事遂行の上で悉く衝突、ゲンナリする時期が続いた事がある。
彼は、従来から自分が担当していた顧客を最優先し、その顧客の要望は全部受け入れようとする。
一方当方は、収益確保の面から、その顧客に対しては厳しい対応を主張する。
最終的には「業務命令」と通告され、引き下がらざるを得なかったが、何とも納得がいかない。
ストレスが溜まった時期だった。
しかしまもなく、彼が拘っていた顧客が、販売大不振に陥り業界で失速、同時にこちらの事業収益が大幅悪化、建直しが急務となってしまった。
あの時に違った顧客に目を向けてさえいればこんな苦労はなかったと、担当グループ全員が要らぬ苦労を強要されている。

開発部設立に関しても、意見が分かれた。
彼曰く、「新製品開発が重要だが、我が社はプロダクトアウト色が強過ぎる。今からはマーケットイン時代なので、開発部を作り、一年間自由にテーマを探させる」
当方は、「未だ成功した開発部はない。開発テーマは日常業務の横にあるもので、開発部員が落下傘で探し当てる確率は限りなく低い」と主張するが、「やってみなければわからない」と強行。
高給取りを二人も専任にして、一年間やってみる事になった。
しかし早速、専任者から「どこに行けばいいのかすら分からない」と泣きが入る。
仕方なく、今注目の分野を本で探す事になるが、そんなモノ、活字になった時点で手遅れ。
その分野に深く関わっている会社が、既に開発行為を進めているのがオチだ。
案の定、何一つ成果がない。
結果としては、高給取り二人を一年間無駄遣いして組織解散とあいなった。

言い出しッぺの彼は更迭されておしまいだが、残った連中は、後始末に大童になってしまう。
改めて、責任者の判断の重要さと、結果責任の取り方を痛感する。