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管理職試験でTOEICが必須になった

我が社の人事制度が変わったらしい。
昇進・昇給制度、福利厚生等々の変更点について、人事部から縷々説明があった。
今時制度が変わると、いくら取り繕った説明をしても、働き手には必ずマイナスに作用する。
しかしいくら不満があっても、「では雇用が確保できない」と開き直られると「分かりました」となってしまう。
現下の経済状況は、サラリーマンにとっても決して楽な物ではない。

基本的に新制度やむなしのムードだったが、最後の「今後の管理職試験ではTOEIC試験600点が合格条件になりました」には、余計な事とは知りながらついつい「チョット待った!」コールを発してしまった。
当方からの、下記の異論に対して、
・英語の重要性は十分理解しているが、何故TOEIC600点が昇格の条件になるのか?
・英会話が必要な社員は、自ら時間とカネをかけてでも英会話に努力するものだが、
・まるで不要な連中に、英語の勉強を強制する必要があるのか?
・第一英語よりも、日本語が怪しい社員も多い。
・当たり前だが、社内では英語よりも日本語の使用頻度が圧倒的に多い。
・英語を必須にするのなら、日本語の試験だって必須だろう。
人事担当者の返事は、
「そのような意見もありましたが、国際化の時代なので」と歯切れが悪かった。

もとより現代では、多くの事業が国際競争を余儀なくされているので、英会話の重要性が増している事は、ニワカ国際人の当方、身に染みて感じている。
個人的には、その為にラジオ講座で勉強する事、5年を超した。
そして、「もっと早くから英会話を勉強していたら」と反省する事しきりの毎日を過ごしている。
海外旅行で話が通じない不便さが、英会話勉強の切っ掛けになった人もいるだろう。
いずれにしても、仕事や旅行で必要性を痛感するから、英会話の勉強をするはずだ。
しかし、英会話は自己責任で努力するべきものだが、管理職の必須アイテムではない。
英会話が必要な場面がほとんどないのに、英語に貴重な資源(時間とカネ)をかけるよりも、他の勉強をした方が良い、どうしても英語が必要なら、通訳を雇えば良いと判断する人だっているに違いない。
世の中、TOEIC試験が大隆盛で、600点を取れないと一丁前の人間扱いがされない。
外国人と接点がある部署の人間は、800点がマストみたいに言われている。

無論、英会話は出来るに越した事はない。
英語を勉強できると、知らないうちに合理的な考え方も身に尽くし、ディベートにも強くなる。
しかし英会話が出来るなんて、実はたいした能力ではない。
アメリカでは、ホームレスだって幼稚園児だって、英語を話している。
英会話は人間の能力に無関係で、環境さえ整えば、アホだって喋れるようになる。
そんな語学の勉強は、他人から強制されるものではなく、自分が必要だから始めるものだ。
管理職への昇格で、TOEIC試験結果をノルマと課すのは現代の流行のようだが、一時的に勉強して良い点をとっても、使わないとすぐにさび付く。
だから、英会話が不必要な社員にまで強制しても意味がない。

しかし当方の「英会話を上手くなりたい人間だけが、英会話の勉強をすればいいのだ」との意見は、圧倒的に少数派のようだ。