昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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橋下発言と日本人の倫理観

僕は日本が大好きだし、日本人も好きだ。
世界中探しても、これほど綺麗な国は少ないし、電車に忘れ物をしてもかなりの確率で返ってくる。
少し地震が怖いし、フクシマ原発の解決目途が立っていないのはマイナスだが、気候は四季の変化に富んで過ごしやすいし、食べ物は美味い。
世界一の国だと思っている。

しかし橋下徹慰安婦と風俗について大失言は、日本人の嫌な部分を思い出す切っ掛けになってしまった。
海外に出かけた時に、日本人の目を覆いたくなるようなご乱行に出くわすことが多いのだ。
その昔は農協ツアーと揶揄され、台湾の北投温泉では団体でオンナを求めてゾロゾロと徘徊、韓国に出かけてはキーセンパーティーでオンナを漁り、世界中で大顰蹙を買っていた。
飛行機の中からサカリのついた犬のような行状だったので、当時の日本人ヘの皮肉「エコノミックアニマル」ならぬ、「エロノミックアニマル」と軽蔑されていた。

爾来30年以上が経過し、日本すっかり世界の先進国に仲間入りした。
今や急激な経済成長を遂げている中国に比べても、礼儀作法の面では一日の長があると思われている。
東南アジアに押し掛ける韓国ゴルファーのマナーの悪さも有名で、彼らは各地の鼻つまみ者だ。
しかし日本人は事オンナの話になると、本質的には農協ツアーの頃とあまり変わっていない。
僕は海外に出張した時に、そんな事例をたくさん見ている。
今でも、日本のトップ総合商社ともあろうところのエリート海外駐在員にとって、極めて重大な業務の一つが、日本からの顧客に対してオンナの世話をすることなのだ。
そんなサービスには全く無縁と思っていたインドでも、「車で一時間チョットの所に、ソッチ方面のオンナがいる」と紹介された。
やはりインドでも好きモノは、「オンナ、オンナ」と要求してくるらしいので、業務遂行上必須アイテムと言いながら、そんな穴場を探し出したのが自慢気だった。
我が社の海外駐在員もまた、会社のエライさんが出張してきた時には好みのオンナを用意しておくことが大事で、「その好みとは云々」と、口に出すのも憚られるような話を聞いた。
僕の後輩は、クラブで横についた現地のホステスをホテルに持ち帰るのを楽しみに、中国や東南アジアに出張している。
取引先の数人は、中国の現地妻がいるのが自慢で、中国出張の前にイソイソと電話して、数日間の疑似夫婦生活を約束している。

これはいずれも、そんなに昔の話ではなく、ごく最近に起きている事実だ。
断っておくが、僕はそのような振る舞いに及んだことは、ただの一度もない。
お蔭で海外駐在員からは、「もっとも手のかからない出張者」と呼ばれていたほどだ。
別に、聖人君主を気取るのではない。
自分では聖人から遠く離れた存在と自認しているが、海外の女性をカネで買うという行為は、どうしてもその気にならない。
中国や東南アジアのクラブで隣に座った女性は、売春行為は一か月の給料を一晩で稼ぐことが出来るので、必死に自分を売り込んでくる。
それは分かるが、その必死さが却って重苦しく、全部ノーサンキューで通した。
また上海では、我が社の中国人社員が観光案内をしてくれたが、若くて美人の彼女を連れているだけで、周囲からは刺すような視線で睨まれ、全く居心地の悪い思いをした。
日本でも戦後に、「パンパン」と称された日本人売春婦が米兵の腕にぶら下がって嬌声を挙げているシーンを、愛国心に駆られながら苦々しく睨みつけていた人達も多いはずだ。
僕が初めて中国に出張したのは、2003年、日本企業「幸輝」が珠海で仕出かした集団買春事件の直後で、反日運動が猛威を振るっていた時だった。
南部地域は危険なので、絶対に行かないように指示された。
幸輝は最初から買春目的の社内旅行を企画し、珠海中の売春婦を300人以上集めて、やりたい放題だったのが中国人の怒りを買った。
因みにこの社内旅行を受け入れた中国側の関係者は死刑になったはずで、幸輝の幹事三人もICPOで国際指名手配をされた。
だから日本人が、海外でオネーチャン相手に狼藉をしている姿は、現地の連中にどう映っているのかが気になって仕方がない。

日本人は丁寧だし親切なのだが、集団になると善悪の見極めが怪しくなる。
また自分の立場が優位だと、妙に相手を見下してしまう傾向がある。
今回の橋下失言は、明らかに自分が優越的地位にあることを前提に、相手(この場合は慰安婦や風俗女性)に対して差別的な態度をとったものと思う。
橋下は以前にも、「集団買春は日本からのODAだ」とも放言、失言している。
いわば、日本人の嫌な部分の発露であり、それが政治家だったの救われない。
日本人は、礼儀正しさや、技術の高さで、世界で高い評価を受けている。
東南アジアでも、最も先駆けて工業化に成功した。
しかしその割には、海外、特に東南アジアでは、尊敬を集めるレベルには至っていない。
そんな一因に、日本人の持つ欠点があるような気がしてならない。

僕はついこの前まで、南京大虐殺は「白髪三千丈」中国のでっち上げと信じてきた。
しかしお調子モノ、橋下徹の失言を見てしまうと、ひょっとしたら彼の地では、30万人はともかく、かなりの破廉恥行為があったのではと不安な思いに駆られている。
果たして日本人の倫理観は、経済と共に成長してきたのだろうか?