昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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どこまで続く泥濘ぞ!

首のデキモノを診断、即手術となったのが7月2日。
そこから今日まで、ひたすら病院通いが続いて、もうそろそろ三週間になる。
治療自体は5分も掛らないが、待ち時間が長い。
せめて絶世の美女でもいれば目の保養くらいにはなるが、残念ながら患者にも看護婦にも職員にも、そんな気の利いたのはどこにもいない。
ただでさえ、暗い雰囲気の病院なんて嫌いなのに、やる事もなく待合室で医者のお呼びがかかるのを待っているのは、全く持って詰まらない。

後頭部なので自分では全く確認できないが、症状としては、「手術後一週間は切り口から膿が出ていた」が、今は「とってもきれいになりました」らしい。
一週間後に診察した医者は、「これなら傷口を縫った方が治りが早い。明日縫いましょう」となったのだが、翌日の医者は「傷口がきれいなので、自然に肉が盛り上がるのを待った方が良い」と、まるで逆の方針を口にする。
そして結論は、「このまま、二週間から一か月、事態を見守りましょう」。
勿体ぶった診断にしては、何とも無責任なワイドレンジの日程なので、元々少ない医者への信頼感がさらに喪失してくる。

当方の関心はただ一つ、「それじゃ、ゴルフは?」なのだが、二週間ならともかく、今から一か月間も禁止となると、6月末に天啓を得た折角の「悟り」が雲散霧消してしまうのではと、焦り、ストレス、欲求不満が入り混じった思いで、平常心ではいられない。
しかし(ヘボ)医者は、そんな哀れで幼気な患者の思いなど歯牙にもかけず、「ゴルフって、汗をかくでしょう。汗は良くないですから」と、極めて事務的に対処してくる。

実際真夏にゴルフをすると、半端ではないほど汗をかくが、とりわけ後頭部の首筋は汗でビッショリになる。
しかも梅雨明け以降、日中は相変わらず、茹だるような厳しい暑さが続いている。
こんな時期のゴルフは熱中症の恐れがあるので、ラウンド中の水分補給が必須だ。
当然、飲んだ水分は汗となって噴き出してくる。
汗をかいてはいけないからと、水分を控えるのは自殺行為になる。
だからゴルフが駄目なのは、理屈の上からも良く分かる。

しかし当方のスウィングは、悪友どもから「金と回数で固めた」と酷評される、「極めて個性的」、悪く言えば「全くの我流」なのだ。
当然、定期的にゴルフをする事でメンテナンスしてきたモノで、二か月間も空白期間があると、果たして「昔日の輝き」を取り戻せるのだろうかと不安が強くなる。
苦楽を共にしてきたクラブ達は、グリップ交換も終わり、休場明けの活躍を約束したかの如くにスタンバイ状態だ。
後は、医者の解禁令を待つだけ。
それが、あと一か月以上はお預け状態が続く。

実は、汗をかいてはいけないと言われると、全くやる事がなくなる。
首筋に水がかかってもいけないので、風呂も湯温が低くならないと入れない。
その為、朝起き出した後、昨晩の残り湯に浸かっているが、一人では髪を洗えない。
嫁さんの手助けを得ながらシャンプーする様は、とても人様に見せられたものじゃない。
会社では仕事に厳しいイメージで売っているのに、こんな情けない恰好が知られたら、権威も威厳もガタガタに壊れてしまう。
事ほど左様に、日常生活は不便極まりないが、さりとて妙案、妙手がある訳でもない。
結果として平日は会社を早めに切り上げて病院へ、休日は、冷房を利かせた部屋で、ひねもすテレビを見る生活となっている。

まさしく、どこまで続く泥濘ぞ!だ。
唯一の慰めは、「昔日の輝き」を喪失したとしても、その理由を手術の所為にできる事カナ?