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「ほこ×たて」ヤラセを怒っている人達へ

日曜日の夕方、楽しみにしていた番組「ほこ×たて」が放送中止になってしまった。
特番で放映された「米国スナイパー対日本ラジコン」対決が、ヤラセだったらしい。
僕もこの番組を見ていたが、最初に二連敗したラジコン組が、最後の最後で三連勝。
密かにスナイパー組の勝利を予想していた僕は、半ばがっかりだが、半ば日本の精密部品であるラジコンが勝利を収めたのは良かったと、自分を慰めていたところだった。
そんな内容だっただけに、実はヤラセだったと聞いて、少々驚いた。

今回問題になったのは、むしろ放送に際しての過剰演出の部分のようだ。
実は最初のラジコンがスナイパーに三連勝。
ここで番組は終わっていたのを、最初はスナイパーが二連勝したかの如くに装ったのが、放送倫理規定に引っかかったようだ。
こんな話になると、日本中が大政翼賛会のように、番組非難一辺倒になる。
制作会社も「楽しみにしていた子供たちに申し訳ない」と謝罪している。
しかしこの程度は、どんな番組でも、大なり小なりある。
むしろ子供たちに「大人の世界は嘘と虚飾に塗れている」と、実態を分かってもらうのも教育的指導の一環だ、

視聴率ばかりを気にしているテレビ局にとって、あっさりと勝負がついたのでは番組そのものが盛り上がらない。
プロレスだって、レスラーは残りの放映時間を考えながら技を繰り出すし、ちょうど頃合を見計らって試合を終える。
結構視聴率も高く、好評番組だったらしい「ほこ×たて」だって、ノンフィクションやドキュメンタリーではなく、日曜夜の7時に家族揃って食事でもしながら、気楽に勝敗予想する程度のモノ。
絶対に穴のあかない金属と、絶対に穴を開けるドリルが、会社を代表して対決するようなシーンも多くあるが、万が一、命懸けの闘いなら、絶対に負けないように用意周到で臨むだろうし、負けたら会社生活が覚束なくなる。
しかしどっちが勝っても負けても、にこやかに握手して終わっているし、その後の会社の株価に影響したとの話もない。
登場するライバルが、コンペが始まる前に必要以上に相手を挑発したり、睨み合ったりするのも演出そのものだし、実際に出演するタレントも漫才師が大半。
AKB48で二番人気の大島優子が、紅一点で異彩を放っているが、正解率は極めて低い。
プロレス並みに、肩に力を入れずに楽しみながら見る、そんな番組のはずだ。

大体、誰からのクレームなのだろう。
あの時の番組は、背景が全部違っていたので、かなり長時間にわたって録画されたはずなので、たまたま全部を撮影現場で見ていたような暇人はいないと思われる。
そうすると内部告発になるが、三連勝したラジコンオヤジは、自分の見せ場が臨場感を持って伝えられるので、気分が悪かろうはずがない。
負けたスナイパー三人組は、たったひとり相手にあっという間に方がついたのを、さも善戦健闘、惜しくも最後に逆転されたように放映されるのなら、不満はないだろう。
そうすると、あたかも最初に二連敗したかの如くに放映された日本側ラジコンオヤジが、「負けた場面を繰り返し放映され、名誉を傷つけられた」と文句を垂れるくらいしか思いつかない。
実際には日本側ラジコン組の仲間の一人が、スナイパー三人を負かしている。
それなのに、ついでのアトラクションのように引っ張り出され、必死に逃げ回ったのに的を射抜かれたのが我慢できないのかな、と、そんな事を考えていたら、案の定、ラジコンチームで一敗地に見えた広坂正美氏の告発らしい。
この御仁は、ラジコンカー世界選手権14連覇の大変なキャリアの持ち主なので、やはり番組で敗者扱いされたのが不満のようだ。

彼の告発は、
・そもそも対決した相手のスナイパーが、テレビ放映とは違っている。
・対決2分間の内最初の1分間は絶対にラジコンを打たない約束だった。(これはヤラセ!)
・しかしスナイパーが間違えて連射したので、最初でラジコンが壊れ勝負にならなかった。
・それが放送では最後の1秒でスナイパーの射撃がラジコンに命中、ラジコンの負けとなった。
のようで、事前の制作会社からの放映内容の説明に対しては、「ルールを破ったスナイパーの負けならまだしも、自分の負けで放送されたら告発する」と警告していた由。
彼は、以前にも二度、この番組に出演しているが、その時にもヤラセがあったと言っている。

要は、彼自身も、過去の経験から、この番組のヤラセ実態は知っていたようだ。
しかしラジコン業界の宣伝になればと、出演を引き受けたらしい。
それなのに、相手の不意打ち反則攻撃で負けたのに、編集で実力負け扱いされたのが我慢ならないのは分かる気がする。
しかし厳しい事を言えば、過去にこの番組に出演した事があり、ヤラセの実態を知っていたのだから、自分に都合の悪い編集くらいやりかねないと警戒しておくべきだった。
確かに、ラジコンの宣伝のためにテレビ番組を利用するのは、効果は抜群だが、世の中旨い話には必ず落とし穴も待ち受けている。

テレビの生放送は、先行きが分からないから面白い。
録画ビデオの番組は、放映の最後が盛り上がるように、継ぎはぎ、切り貼りしながら編集するから面白くなる。
世界的著名人の広坂正美氏は、ラジコン敗北との濡れ衣を着せられたと怒っているが、逆にこの件で知名度が飛躍的に上がった事を良しとすればよい。
我々一般人は、大半の番組は面白おかしく編集されている事を肝に銘じればよい。