昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

食品偽装の歴史と伝統

食品偽装問題が拡散している。
産経新聞によると、400施設以上の偽装が確認されていると言うが、実際はこれでも氷山の一角。
ホテルオークラ、帝国ホテル、リッツカールトン、デパートも、大丸、高島屋松坂屋伊勢丹が偽装していたとなると、最早やっていないところがない、実は日本全国、津々浦々で、ごくごく当たり前に偽装表示が蔓延っていたと思われる。
最初、阪急阪神ホテルでばれた時の、「偽装ではなく、誤表示」の言い訳が何とも虚しい。
誰が、どう考えても、顧客、消費者を欺いていたのが明白なのに。

そうは言っても僕なんかは、余り腹が立ってはいない。
問題になっている高級ホテルで食事をした事もないし、デパートで高級食材の買い物をした事もないからだ。
今回の大騒ぎだって、顧客が表示品と実際の料理の味の差を見破ってクレームをつけたわけではなく、いずれも内部告発からの調査で判明したもの。
実際にクルマエビを注文したのにと思っていたのに、ブラックタイガーだったとか、高級ステーキが加工肉など、誰にも分からなかった。
「ヤッパ、高級料理は美味いなァ」程度に感激して、高い金を支払っていたのなら、笑えないブラックジョークの世界だ。

高級ホテルや料亭で、高級な食材を食べる事が出来る階層って限られている。
僕も含めて一般の客には、極めて縁遠い存在でしかない。
我が家の食材は、スーパーで調達される事はあっても、デパートを利用する事はない、
無論、スーパーだって信用できないが、こちらは目の玉が飛び出るほどの高級品は扱っていないし、売れるものでもない。
要は、金持ちや見栄っ張り連中が多く騙されたのであって、庶民はこんなインチキに巡り合う機会は少ないし、被害額は小さい。
食品偽装した側には、「我々が騙したのは金持ちだけ」と、義賊みたいな思いもあったのかもしれない。

尤も本物の義賊は、金持ちから奪ったものを貧乏人にバラ撒くので人気を博するが、今回の偽装連中にはそんな殊勝さは見られない。
むしろ常日頃は、「お客様は神様」みたいに接客マニュアルで、慇懃無礼に接客している連中ばかりだ。
しかし一皮めくれば、そんなのは表向きの顔でしかなく、実は顧客を騙しても収益を最優先する体質を露呈してしまった。
今回の偽装をしてきた連中にとっては、顧客は自社の収益を達成するための手段でしかない。
だから嘘をついて、安物の具材をさも高級品のように偽装する事を厭わなかった。
そんな事を、ずっと前から繰り返してきたのだ。

羊頭狗肉
遥か昔から四文字熟語になるほど、この手の詐欺商法は歴史がある。
悪い意味で、伝統もあるのだ。

贅沢品は、なかなか食べられないほど高価だから有難い。
我々庶民がちょっと無理をすると、商売人に騙される。
今回、日ごろは「お・も・て・な・し」の権化のような一流ホテル、一流デパートだって、信用できるものではない事が分かってしまった。
しかし被害にあわない為に、高級品を見極める能力を身に着けるには、時間とカネがかかり過ぎる。

元より高級店に近寄らず、最初から身の丈に合った食事で満足する事が一番だ。