昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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プロゴルファーになれなくて……

真に不遜ながら、プロゴルファーと、究極の素人ゴルファーの僕の間には、大した差がないんじゃないだろうかと思い始めた。
無論ドライバーの飛距離では、100ヤードくらいの差があるのは知っている。
アイアンの飛距離は2番手以上違うし、横の振れ幅は僕の方が左右30ヤード以上は大きい。
しかしそのプロでさえ、目の覚めるようなベタピンショットもあるが、大半はピン横10m前後に乗っているケースが多い。
決定的に差があると言われる平均パター数だって、僕は34だからこれで10打違うだけだ。
大差たって、ドライバーの飛距離、アイアンの正確さ、アプローチとパターの上手さと、精々そんなところでしかない。

例えば野球なら、僕たちはプロのピッチャーの球は絶対に打てない。
相撲でも、素人はどんなに強くても、玄人の力士には歯が立たない。
勝負にも、話にもならないくらいの差がある、
しかしゴルフなら、一ホールで一打程度の差でしかない。
これはこれで埋めようのない大差にも見えるが、マッチプレーをすれば、18ホールで一度くらいは引き分けに持ち込めそうな気がする。

金曜日の太平洋マスターズでも、絶好調で首位の小田孔明を追いかけていた石川遼が、連続して池ポチャをやらかした。
三連続場バーディーだった松山英樹は、パー3で、情けないほどグリーン右に外してボギーにしてしまう。
一試合で何百万円も稼ぐトッププロも、トータルでは凄いプレイをしても、局所局所では、我々みたいなミスも仕出かす。

彼らは、日頃から死に物狂いの努力を重ね、トーナメントにでもなったら眠れないほど神経をすり減らしている。
自分の全てを賭け、家族の期待を一身に背負い、生活の為に全知全能を傾けてゴルフをしている。
それでいて、まるで能天気にゴルフを楽しんでいる僕との差は、15打ほどしかない。
しかもその三分の二は、パターでつくもの。
ならば、職業病の腰痛に悩みながらゴルフ道を極めるなんて、全く割が合わないのではないだろうか。

大体プロゴルファーで飯が食えるのは、男女各々わずかシード選手の60人だけで、後はアルバイトでもしながら食いつないでいる状態だ。
一時的に好成績を収めても、それが維持できないと、すぐにバッシングを浴びる。
石川遼なんて、アメリカで成果が出ないだけで、私生活まで論われる。
しかもプロゴルファーとしての賞味期限は、決して長くはない。
稀にシニアトーナメントまで活躍できる選手がいるが、これも数十人程度まで。
一方、仕事になんだかんだと不満ばかり並べたてている僕のようなサラリーマンは、40年以上も会社にしがみ付きながら、碌をはみ続ける。

太く短い刺激的な生き方と、長いだけで面白くもない生活との比較かも知れないが、我がサラリーマン人生は、決して世間で揶揄されるほど退屈なものではなかった。
生涯賃金でも、超一流プロや一流プロには遥かに敵わないかもしれないが、全部のプロゴルファーに負けている訳でもないだろう。
若かりし頃、一時的な熱情に駆られて、ギャンブル人生を歩まなくてよかった。

「自分が好きな事を職業にできるなんて羨ましい」との意見もあるが、実は趣味は楽しむものであって、生業とした途端に、悩み、苦しみも発生するものだ。
小市民の僕は、負け惜しみでもなく心の底から、ゴルフは楽しむに限ると確信している。
松山英樹や、石川遼の様な才能がなくて、本当によかったナァ。