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細川護熙参戦で、東京都知事選が面白くなる

東京都知事選が面白い。

自民党は当初、反党行為で除名処分までしていた舛添要一の支持に動いた。
いくら自民党に人材がいないと言っても、これでは前後の辻褄が合わな過ぎる。
一方の民主党は、候補者すら見つけきれずに、舛添要一への相乗りを画策する。
社民党共産党推薦の宇都宮健児や、石原慎太郎が個人的に支援している田母神俊雄、果ては御年85歳で都知事選の名物男、ドクター中松あたりの奮闘だけが見せ場で、舛添要一の楽勝と思われていた。
そこに降って湧いたように、細川護熙の立候補だ。
舛添要一自民党の慌て振りが伝わってくる。

しかし登場人物は、全員がロートル戦士ばかり。
先行した宇都宮健児67歳、田母神俊雄65歳、舛添要一が65歳、後出しじゃんけん細川護熙が75歳。
普通なら、最早アガリで、年金が支給される年齢だ。
国際都市、東京の首長を争う政治なのに、諸外国の政治リーダーに比べても圧倒的な年寄り連中の争いごとになっている。
しかしながら、候補者はそれなりのキャリアの持ち主だけに、見方によってはプロレス並みのバトルは期待できる。
東京都知事選は、細川護熙の出馬検討で大いに視聴率を稼ぐことが出来るイベントになった。
しかも細川護熙のセコンドには、小泉純一郎の姿が見え隠れしている。
更には、最早御用済み政治家と思われていた小沢一郎や、史上最低総理大臣、菅直人の姿までちらつく。
これだけ種々のヒール役が集まると、やじ馬には堪えられない。

我が愛読紙、産経新聞は、徹底的に細川護熙に批判的だ。
細川護熙小泉純一郎が結託し、反原発を争点にしようとしているのがお気に召さない
元総理、森喜朗もまた、「東京オリンピックこそが都知事選の争点、原発は東京とは無関係」と、細川護熙を非難している。
総理大臣にまで上り詰めた細川護熙が、都知事選に打って出るなど、前例がないとの批判もある。
また細川護熙に関しては、75歳の年齢、総理大臣を投げ出した時の無責任さや。政治資金スキャンダルも問題視される。
いずれも、原発を論点にしたくない勢力の意見だ。

一方、反原発陣営は勢いづく。
何せこちらは、元総理大臣が三人、総理以上の実力者だった元幹事長が蠢いている。
失地回復の場を狙っていた菅直人は、宇都宮健児を引きずり下ろしてまで、細川護熙への支援を訴え始めた。
民主党を追われ、行き場をなくしていた小沢一郎にとっても、久しぶりの暗躍の場だ。
さぞや張り切って、地下工作に余念がないだろう。
一方の舛添要一にしても決して節操があるとは言えない
自民党批判の大見得を切って、新党「改革」を立ち上げてはみたものの、政治的見せ場はゼロ。
政界引退を発表した直後なのに、猪瀬直樹の大チョンボ辞任で東京都知事の目が出た途端に、大喜び。
みそぎとして、あれほど酷評した自民党に頭を下げた舛添要一の定見のなさは、都知事として確たる信念があるとは思えない。
方や、陶芸家として悠々自適、まるで浮世離れの人生を謳歌していた細川護熙
有力候補者はどっちもどっちだが、彼らにとっては老後の退屈凌ぎの場として、東京都知事の座は最高の玩具だろう。

僕は東京都知事選の選挙権がないが、心情的には自衛隊出身の田母神俊雄を応援したい。
その理由は、反原発を唱える細川護熙のセコンドについて誰一人好意を持てないのと、それ以上に舛添要一陣営の「原発のない東京都では、原発問題は争点ではない」との意見に猛烈な違和感を覚えるからだ。
今フクシマで問題になっている原発発電の最大消費地は、間違いなく東京だ。
東京が原発に無関係なのではなく、東京があるからフクシマ原発が必要だったのだ。
東京が、原発を不要だと言えば、原発稼働は激減できる。
こんな意見に押された舛添要一東京都知事になれば、原発稼働停止は遥か彼方の時期でしか実現できない。

原発が必要かどうかの前に、今の日本には原発をマネージできる能力が備わっていない。
原発の場合、一旦事故が起きれば、何十年も、何百年も、周辺に多大な悪影響を与え続けるが、その解決策が見つかっていない。
そんな原発の恩恵を一番享受しながら、東京は事故には無関係と開き直る勢力の神輿に乗った、舛添要一を応援する気にはならない。
後は、細川護熙が途中で嫌気がさして、東京都知事選挙の投げ出さない事を祈るばかりだ。