昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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ペルガモン美術館

この日は、朝から雨。
結構な降りだが、ドイツ人の多くは不思議と傘を差さない。
雨の中を、少し早足で歩く程度だ。


昨日歩いたのが23千歩。
いつもウォーキングをしている当方には何てことないが、めったに歩かない妻は、かなりくたびれている。
別段何かをしなければならない旅でもないので、いっそ一日中ホテルにいようと思っていたが、朝食後に体重を測定したところ、何と3kgを増えている。
確かに、朝から美味い朝食をたらふく食べ、夜は美味いアジア料理を食べ続けているのだから、この結果も宜なるかなだ。
そこで美術館へ行こう!と相成った。


目的地はペルガモン美術館だが、途中に「ドイツ歴史記念館」があった。
ついでにと立ち寄ったが、ドイツの歴史が時系列に記録されている。
日本のような、神話とかは皆無で、史実に基づいて、他国からの侵略や他国への侵略で変遷した領土の変遷が、一時間近い映画で説明されている。
それによるとドイツは、ナチス時代が最も広大な国土だったことになる。
ドイツ人は、ナチス時代の戦争犯罪を心から反省しているとされているが、こういった歴史を考えると、そうは簡単な話ではなさそうだ。


目的地の「ペルガモン美術館」は現在改装中で、全部終わるのは2025年だと言う。
それほど壮大な規模を誇る美術館だが、中身を見ると驚いてしまう。
全部がイスラム文化圏の遺産で、ドイツが簒奪してきたものだ。
もちろん全ての所有権が、本来ならイスラム文化圏、特にイラクを中心としたサラセン諸国にあるはずだ。
ドイツ人に言わせると、「自分たちが管理しているからこそ、この状態で展示できるし、世界遺産にも登録される」となるが、しかし本来の所有者からすれば、「そんなことは余計なお世話」で、盗人猛々しいとしか思わない。


現在、イスラム過激派のテロが、世界的に大問題になっている。
キリスト教が中心の西欧諸国は、口を極めてイスラム過激派を攻撃している。
しかし、ドイツやイギリスに、そんな偉そうなことが言えるのか。
自分たちが過去にやってきたことは、国力を背景にした強盗行為だ。
そに対抗する為に弱者がテロに走るのよりも、強者の論理で植民地を支配した方がよっぽど性質が悪い。
少しは冷静に、自分たちの今までの所作振舞いを見直して欲しいものだ。
このような美術館で、素晴らしい美術品を見るにつけ、そんな事を考えてしまう。


夜は、スパゲッティ&パスタ店へ。
目の前で料理をしてくれるので、コックが五、六人並んでいる。
我々夫婦の注文を担当した女性は、やたらと要領が悪くて、料理が遅い。
ブツブツと不満を言っていたら、突然「ワタシ、日本語シャベレマス」と、日本語で話しかけてきた。
「壁に耳あり」
どこの国でも、人の悪口は言わない方がよい。