昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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オリンピックの間は愛国者になる

リオオリンピックも、いよいよあと二日。
時差12時間のブラジルなので、現地で昼に開催される競技は、真夜中にテレビを見ることになる。
これは結構辛い。
しかし夕方から行われる種目は、日本では午前中に放送されるので、充分に楽しめる。
お陰で、決定的な瞬間をライブで観ることが出来た。
 
オリンピックの期間中は、自分が典型的な日本人だと思い知る。
何の意味がないことは分かっていても、テレビに向かって大声で応援している。
日本選手が好成績を上げると、まるで自分の応援のお陰みたいな気分になっている。
自分が愛国者などと思ったことはなかったが、実は心底日本大好き人間だった。
その証拠に、日本選手が金メダルを獲った時の「国旗日の丸掲揚」と、「国家君が代斉唱」を、誇らしく思っている。
 
正直に言えば、日本国内でスポーツと言えば、野球と相撲、サッカーぐらいしか知らない。
オリンピック出場をかけた国内予選競技も、結果をニュースで知る程度だった。
今回のオリンピックでメダルを量産した柔道や水泳、体操だって、日本選手権すら観たことはなかった。
ましてや地味な競歩レスリングなんて、今でこそ如何にも通みたいな知った振りをしているが、実はルールすら分からない、オリンピックの時だけの俄か評論家に過ぎない。
銅メダルだったカヌーに至っては、オリンピック競技であることすら知らなかった。
ところがオリンピックの時は、日頃はほとんど関心のない種目でも、日本選手が活躍しそうなものはくまなく観戦する。
まるで、メダルに群がる蛾のような存在なので、命がけで戦う選手から見れば有難迷惑かもしれない。
 
そんな二週間の愛国者魂は、水泳の萩野公介の金メダルで火が付いた。
柔道は銅メダルばっかりで欲求不満気味だったが、大野将平の優勝で溜飲が下がった。
男子体操の団体金メダル、個人総合の内村航平の金メダルも美しかった。
団体表彰式で、選手五人揃って君が代を斉唱している姿に感激した。
金メダルを四個も量産した女子レスリングは、伊調馨前人未到の四連覇を果たした金メダルと、それを逃した吉田沙保里の銀メダルの両方に心を打たれた。
男子卓球、水谷隼の大活躍、女子卓球の銅メダルも、涙なくしては語れない。
荒井広宙の50キロ競歩は、見ているうちにやめられなくなり、深夜の決着まで応援することになった。
陸上男子400mリレーの銀メダルは、ウサイン・ボルトのジャマイカに続く二位。
四選手がバトンをつないで、カナダ、アメリカに先着した時は、自分もトラックを走っているよな錯覚を覚えるほど大興奮してしまった。
 
どの種目の選手も、世界に日本の存在を知らしめた大功労者たちだ。
 
苦言を一つ。
日本選手たちは、勝っても驕らず、負けても決してやけっぱちな態度は見せない。
どんな場面でも、素晴らしいスポーツマンシップを見せてくれた。
しかし唯一の例外が、女子マラソン福士加代子
彼女自身は「金メダルを狙う」と公言していたが、そこまでの実力がはないことは誰もが分かっていた。
戦う前に大言壮語して自分の追い込むのは日本では少数派だが、そこは彼女のキャラとして認めよう。
しかし間違えてはいけないのは、こんなパフォーマンスが似合うのは、結果が伴う選手に限ることだ。
途中全く見せ場がないままの14着だったのに、終了後の「金メダル獲れなかった」発言は、34歳のオトナとしては褒められたものではない。
無論、批判されることは覚悟の上で、情けないレースへの照れ隠しで、リップサービスのオフザケ発言だろうが、そう思って見ると却って痛々しく感じてしまう。
今までも数々の失言を繰り返しながらも、それを跳ね返す結果を出せない以上、もう少しオトナの対応を身に着けるタイミングを迎えているのではないか。
 
いずれにしても、日本中を大興奮に巻き込む代表選手たちの活躍ぶりは、暇な老人には格好の暇潰しだ。