オリンピックが終わった。
始まるまではブラジルの開催能力が不安視されていたが、終わってみれば見事なオリンピックだった。
オリンピックが始まる前のブラジルは、治安の悪さで悪名を轟かせていた。
しかし実はこれが狂言だったことで、ブラジルが却って被害者みたいになり、治安の悪さが大きく取り上げられることがなくなった。
ロクテはアメリカの恥さらし者だが、ブラジルの取っては批判の矛先をそらした功労者だ。
また、開会式や閉会式の演出は、過去のどのオリンピックよりもオシャレで、見ていて楽しかった。
日本選手の奮闘もお見事だったが、リオオリンピックもまた天晴れ!
ただ今までは、とにもかくにもテレビをつけると必ずオリンピック競技放送をやっていたので、絶好の暇潰しになったが、オリンピックが終わるとその楽しみがなくなる。
その喪失感が半端ではないが、その分をSMAP解散騒ぎが埋め合わせてくれそうだ。
世界中がオリンピックに熱中している時でも、日本ではSMAP解散が注目されていた。
僕は別段SMAPのファンでもないので、彼らが解散しようが仲間割れしようがどうでも良い。
この間の情報戦争では、圧倒的にジャニーズ事務所が優勢だ。
SMAP連中は、自分たちが出演する番組で解散にコメントしている程度だが、残念ながらこんな場面で、彼等の本音を話せるはずがない。
奥歯にモノが挟まったような言い方で、ファンに謝罪するだけに終わっている。
そこで、「解散の責任は全て一部のメンバー」と思わせることに成功している。
ジャニーズ事務所は、実に巧妙に「ファンの皆様、解散の戦犯はSMAPの一部メンバー、具体的には香取と草彅の二人なのですよ」と情報操作しているし、マスコミもこれに結託し、ジャニーズ事務所のストーリーに沿っての報道を繰り返している。
これでは反乱四人組は、苦しい立場に追い込まれる。
大手芸能事務所の代理店みたいな番組「ミヤネ屋」では、如何にジャニー社長が、デビュー当時は目立たない存在だったSMAPの売り込みに腐心したか、また今回の解散を避けるためにどれほど努力を重ねたかを延々と放送した。
ジャニー社長の苦労話とSMAPへの強い愛情をアピールすることで、それにも拘らず恩人を裏切り、解散を強行した反乱四人組の分からず屋振りを印象付ける、事務所の意向に沿った番組の流れだ。
しかしこれは、裏事情を知らない僕でも、全くおかしいと気付く。
提灯野郎の宮根誠司だけが、特別なのではない。
実は、テレビ局に対するジャニーズ事務所の影響力、あるいは横槍が露骨のようだ。
反乱四人組が、凄腕マネージャーと言われた飯島三智を担ぎ出したとしても、ジャニーズ事務所の息がかかった芸能界で生き延びる至難の業だろう。
しかし例え蟷螂之斧でも、とてつもない巨大組織に立ち向かう、弱者の意地を発揮してほしい。
池井戸潤の小説なら、こんな絶体絶命の窮地には、必ず思いもかけなかった救いの手が伸びて来る。
しばらくはそんなことを楽しみに、SMAP解散劇の成り行きを見ていたい。