昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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地元スーパー閉店と浅草仲見世商店街賃料値上げ

近所のスーパーで、奥さんの後ろにくっついて買い物に付き合っているオヤジをよく見かける。
ほぼ全員が、荷物運びの苦力役と思われる。
リタイアすると、家にいてもどうせ暇だし、奥方の買い物に付き合うぐらいしか生活に変化がない。
麒麟も老いては駑馬に劣る。
その昔は企業戦士としてそれなりに辣腕を奮っていたのだろうが、それも年老いてしまうと荷物運びの役割しかない。
そんな老人たちには同情の念を禁じ得ないし、ああはなりたくないと切実に思う。
しかし現実は厳しい。
僕も理屈は分かっている積りだったが、実はリタイア後は妻の買い物に付き合うことで暇潰しをしている。
我ながら、誠に情けない。
 
そんな我々夫婦の、行きつけのスーパーが閉店することになった。
歩いて10分も掛からないし、途中アップダウンもないので、散歩がてらの買い物にちょうど良かった。
しかも毎週金曜日が牛乳の特売日で他店よりも20円安く、野菜や果物も新鮮だったので、結構買い物が楽しかった。
いずれは車運転をギブアップする時期が来るので、将に年寄り向きの店だと思っていたのに、突然、「年内で閉店」との案内が張り出されていた。
これもまた世の流れなのだろう。
我が家の近隣でも、ほとんどの客がイオン系列の大型スーパーに集中している。
その為に、地元密着型の店は、次々と閉店に追い込まれてきた。
大型店は一見安くて便利だが、レジのおばさんと世間話をするような親近感はない。
 
浅草、浅草寺仲見世の商店街の賃料が話題になっている。
賃料は今まで破格の安さだったらしい。
当然店子は反発しているが、一方では特権に守られた殿様商売だったとの批判も強い。
現に、値上げ後の賃料でもあの周辺の相場よりも安いと、今までの仲見世商店街の経営努力不足を指摘する声も多い。
僕が密かに尊敬している元AV監督、村西とおる氏もまた、食品を扱っている店なのに店内でモノを食べることを禁止したり、ごみ箱すら設置していない仲見世商店街を厳しく批判していた。
 
確かにそうだろう。
仲見世商店街については、昔からの老舗を良いことに超安い賃料に胡坐をかき、たいして経営努力をしなくても、浅草寺の集客力で商売が成り立ってきた側面は否定できない。
そんな彼らに、ある日突然競争の論理を求めても到底ついていけず、やむなく廃業するしか道がない。
その結果は、仲見世通りがファストフード店とコンビニに席巻されることになる。
 
僕は、そんな商店街には全く魅力を感じない。
世間相場の価値観を推し進めるよりも、特権に守られて、やっとのことで昔からの商売を細々と続けてきた商店を守りたい。
近所の地元スーパーの廃業を見て、そんなノスタルジアに浸ってしまった。