特にテレビ朝日やTBSが執念を燃やして煽り続けた、所謂モリカケ問題が不発に終わった所為だろう。
あれほど「安倍明恵夫人が名誉校長だから」、「加計孝太郎理事長と安倍首相が友人だから」と、一年半にの長きに亘って、火のないところに煙を立て、憶測と思い込みで疑惑を作り上げたのに、結果は安倍政権を追い込むことが出来なかった。
安倍政権打倒の切り札と目された籠池夫婦が釈放されたにも拘らず、取材すらしないマスコミの報道姿勢からは、政治のお目付け役とか、社会の木鐸たる使命感も矜持も感じられない。
そんなマスコミ挙げての体たらくの中で、久しぶりに取り上げられたのが自民党総裁選だ。
こちらは、総裁選の時だけ妙に張り切る野田聖子が、自らのスキャンダルもあり不戦敗になり、どうやら三選を目指す安倍首相と、最近党内野党色を強めている石破茂の一騎打ちになるようだ。
戦前の予想では安倍首相有利のようだが、石破茂は露骨に安倍首相を個人攻撃することで、党員票獲得に活路を見出す考えだ。
それが、石破が打ち出したキャッチフレーズの、「正直と公平」に現れている。
ところが身内からも、自民党員の則を超えていると指摘され、「考え直すかも」とトーンダウン。
途端に「ブレた」と批判され、慌てて「やはり変えない」と修正する付和雷同ぶりを露呈した。
「正直と公平は政治家になった時からの信条」と言い訳したが、先月の会見では「要は依怙贔屓しないかだ」と答えているので、安倍首相へのモリカケ問題の当て擦りだったことは間違いない。
この石破茂に対して、妙な応援団が付いた。
小林よしのり、青木理、古賀茂明、室井佑月、玉木雄一郎、蓮舫、香山ユカ
こんな連中が、「石破茂を応援する」と表明したのだ。
石破茂は、肝心の自民党議員からはソッポを向かれているのに、常日頃は反自民党、反日発言を繰り返し続けている、自称「評論家」だけでなく、何と野党党首や幹部クラスからも支持されていることになる。
何たるブラックジョークだろう。
当たり前のことだが、自民党総裁選の投票権は自民党員に限られている。
その自民党員にとって、いくら多様性とか、幅広い支持層とか言っても、自民党の足を引っ張り続けている連中から支持された人間には投票しにくいだろう。
そもそもこの連中は、石破茂に何を期待しているのだろうか?
憎ッくき安倍首相の対抗馬と言っても、石破は憲法改正論者だ。
憲法改正と言ったとたんにアレルギー症状を呈するこの連中と、政策的に一致するはずがない。
そこで深読みだが、今回石破支持を表明した連中は、実は安倍政権存続を願っているのではないだろうか。
安倍政権さえ続けば、テレビで無責任極まりない評論で非難を繰り返す仕事にあぶれることもない。
野党議員もまた、今の政権で外交も国内政治も経済も安定しているので、政権担当は自民党に任せて、重箱の隅をつついて政府批判をしておけば、何となく仕事をしている気分になれるし、次の選挙で反自民党の票を集めることも可能だ。
ひょっとしてこれは、反安倍政権側の安倍首相への側面支持の活動かもしれない。
そんな事すら考えさせるほど、実は石破茂にとっては、迷惑千万な応援だと思う。
マァ端から石破茂を信用していない僕には、「目糞、鼻糞を支援」にしか見えないが。