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N国党の主張を真面目に検討したら、正反対の意見になった!

今やN国党は、既成政党を遥かに凌ぐ注目を集めている、

野党陣営の鳴り物入り政党、れいわ新選組も全く話題に上らなくなった。

 

そのN国党だが、毀誉褒貶が激しい。

と言うよりも、圧倒的に批判の声が多い。

日本人は、派手なパフォーマンスで目立つ人やグループを嫌う傾向が強いが、N国党にとっては、その批判はとっくに織込み済み。

目立ってナンボの政治活動なので、反対する人はいよいよ離れていくが、信者や支持者はますます結束する。

 

党首、立花孝志が、今の選挙制度では、この戦術を有効だと、見事に言い表している。

・現在のN国党支持率はざっと2%、50人に一人で、これはコアな支持者

・次の選挙の目標支持率は5%達成で、このために更に一人か二人の投票増が必要

・目立つN国党に反発する人の評価は0から-1になるが、投票上は0で変わらない

・元々N国党に関心がない、嫌いな人は評価0のままだから、こちらも投票は0

・しかしN国党を面白いと思う人が一人でも増えれば、+1の投票となり目標に近づく

現在の選挙制度に-1になる投票がないので、N国党が目立てば、プラスの効果しかないと喝破している。

 

このやり方を徹底すれば、確かに次の選挙で支持率5%獲得も夢ではない、

 

そんなN国党のシングルイシュー政策が、NHK放送のスクランブル化だ。

そしてキャッチフレーズは、今や流行語ともなっている「NHKをぶっ壊す!」だ。

僕は、N国党を際物とみる多くの人の中で、比較的客観的に立花孝志とN国党を見てきた積りだ。

確かにやり過ぎの部分は多々見られるが、少なくとも彼らの「NHKを見ていないのに、何故受信料を払わねばならないのか」の主張には論理性があると思ったからだ。

 

そこで僕なりに、N国党の主張と、NHKの問題点を考え直した結果、「N国党の主張は間違いではないが、現実的ではない」との結論に至った。

NHKをぶっ壊してはいけないのだ。

 

特に元NHK職員だった立花孝志のNHKへの内部告発は、極めて具体的だ。

・NHK内部には不正が蔓延っている

・NHKは徴収した受信料を、適正に使用していない

電通支配のNHKは、海外スポーツ番組を不当に高値落札して電通を儲けさせている

・受信料取立てに暴力団を使い、善良な一般市民を恫喝している

 

これがもしも事実なら、NHKは大問題組織となるが、しかしNHKがそうだとしても、何故NHKをぶっ壊す必要があるのか?

これらの問題が違法でなければ、いずれもNHKが自主的に解決するべきモノばかりではないか。

「NHKが電通に乗っ取られたので番組が偏向している」とは立花孝志の主観だし、海外スポーツ番組高値落札で電通が大儲けしていても、そこに違法性がなければ司直に訴えるわけにはいかない、

 

更に言えば、スクランブル放送にしたらNHKのこの問題点が解決される因果関係は分からない。

実は内部腐敗は、どこの組織にもある。

僕が知る会社も、毎日会社の車で出社し、宛がわれた自分の部屋で長唄の練習をしたり、テレビで「水戸黄門」を見ている、退任した元役員ボケ老人たちがいた。

 

一番重要なのは、NHKは公共放送なので、素晴らしい日本文化の伝統を紹介し、育成し、広げていく使命も有していることだ、

またNHKは、テレビ局の中で唯一、視聴率に無縁の番組作成が可能だ。

その為に、一般的にはマイナーな伝統芸能にもスポットライトを当てることができる。

実際に全く視聴率が期待できない文楽、歌舞伎、能、囲碁将棋、伝統音楽などは、NHKでしか放送されず、絶対に民法が扱うことはない、

 

しかしネット隆盛時代になり、テレビとネットとの相対的力関係が変化してきた。

例えば我が家では、今や民放テレビは、スポーツライブ中継以外はほとんど見ない。

見たい番組が皆無だし、報道ニュースは偏向したものばかりなので、全く見る気にならないのだ。

これは我が家だけではなく、ニュースはネットで見るし、面白い番組もまたネット経由で見る人たちが急増している。

 

テレビでは視聴率を一番の目標指数にしてきたが、実は民放のスポンサーにとって最重要なのは率でなく、視聴者数なのだ。

視聴者100人なら、視聴率10%で10人への宣伝効果があるが、視聴者が50人に減れば、広告を見る人は半減してしまう。

このように、どんどんテレビ離れが進み、宣伝媒体としてのテレビの魅力が減れば、スポンサーはサッサとテレビから逃げ出し、ネットに移行する。

立花孝志が「YouTubeで収入が急増した」と言うのは、ネットが宣伝媒体として更に注目を集めていることの証左だ。

マスコミの王者として隆盛を極めていたテレビだが、今、将に自分たちに迫っている危機の真っただ中にある。

 

テレビ局がそれに気が付かず、まるで魅力のない番組を作り続けているのは自業自得として、NHKまでそうなると、日本の伝統文化を守るNHKの使命が怪しくなる。

民放などどうなっても。ネットさえあれば大丈夫だが、公共放送のNHKだけはネットでの代替が利かないので、ぶっ壊れてはいけないのだ。

ではNHKの生き残りは、どうすれば可能か?

税金と同様に、見ているいないに無関係で国民全員が、受信料を支払うことに尽きる。

今後テレビはますます衰退するだろうから、次の媒体、ワンセグスマホに受信料を課すことで、NHKの経営を安定させることも急務だ。

国民全体に、公共放送NHKこそ日本のために絶対に必要な放送局と、認識を改める努力が必要となる。

 

N国党が指摘している、NHK内部腐敗を放置するのではない。

僕だって、NHKの偏向報道番組には辟易としている。

それは、NHKのガバナンス強化で自ら厳しく取り締まらなければならない点だが、その問題とNHKの必要性は別だ。

 

NHKをぶっ壊してはいけない。

受信料は、支払わなければならない。

今の法律で、受信料徴収に不備があるのなら、早速改定して、受信料徴収を邪魔するN国党の活動を、法律で規制しなければならない。

 

もしもテレビにバラ色の未来があるのなら、僕はN国党の意見に無条件に賛成した。

しかし、テレビに明日はない。

その中で、NHKだけは何としても生かさないといけないと考えた僕の結論だが、N国党の主張と真反対になってしまった。

 

しかし僕はこれも、N国党によってもたらされた効果だし、N国党の功績だと思う。