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香港と中国共産党との戦い

当初は犯罪者の中国への引き渡しに反対していたはずの香港のデモだが、今や中国の一国二制度の矛盾を浮き彫りにしてきた。

元々、中国共産党支配下で、一国二制度なんかが機能するはずがない。

デモに参加している香港の学生や高校生は、異口同音に「香港の民主主義と自由を守る」と訴えている。

しかし、冷静に考えて欲しい。

共産主義は、共産党独裁でしか存続できないので、反対派の存在を許すはずはない。

香港が「民主主義と自由」に拘るなら、中国共産党から見れば敵対勢力でしかないから、流血を辞さない弾圧に乗り出すことは、容易に予想される事態だ。

 

 

香港がイギリスから中国に返還される時、当然ながら自由主義圏に属していた香港は、共産主義国家へ帰属することへは拒絶反応が強かった。

そこで、中国共産党がイギリスからの返還をスムーズに行うためには、香港市民を騙さないといけないので、目晦ましとして一国二制度などの便法を用いたものだ。

当然ながら、イギリスも香港市民も、これが中国共産党が香港を飲み込むための詭弁であることは、その時から分かっていたはずだ。

しかしそれでも、関係者は両目をつぶって、耳触りの良い一国二制度に縋りついた。

そのツケが、今の香港の混乱になっている。

 

そんな危うい制度なので、時間が経過するにつれ、矛盾点が露呈する。

ただ中国共産党にとっては、その矛盾を解決するための香港政府の勝手な政策を許せば、強権的に抑え込んでいる中国本土との整合性が取れなくなる。

そもそも、中国共産党は、共産主義での国家経営はとっくに放棄し、計画的市場経済との、矛盾だらけで訳の分からない思想を掲げた。

経済を知るものだったら、噴飯モノの考えだが、これでも「カラスは白い」と強弁する共産党の統治下では異論が許されない。

その結果として、中国共産党が主導して市場経済を導入すると言う、奇妙奇天烈な状況が現実になっている。

お笑いネタ風には、中国はツッコミどころ満載の国家運営で、香港市民から見れば、中国共産党さえ消滅すれば、一国二制度など不要のはずだ。

 

ところが中国共産党にとっては、唯一必死に守るべきは中国共産党独裁統治なので、香港の要望を聞く訳にはいかない。

しかも、共産党独裁を維持継続するためなら、中国共産党は手段を選ばない。

その一つが、香港への武装介入であり、もう一つは、台湾総裁選挙への露骨か介入だ。

またウィグル人にたいしては、民族浄化に近い殺戮も日常化している。

 

だから中国共産党は、香港のデモ拡大は、何が何でも鎮圧しなければいけないのだ。

放置すれば、中国共産党の一党支配が危うくなる。

本来なら、国際社会の圧力で、中国共産党が瓦解することが最も望ましい解決法だ。

しかし現状は、中国との貿易関係を崩したくない西欧諸国は、アメリカのトランプ政権を除いて、中国への経済制裁についてはまるで及び腰だ。

 

恐らくは、今回の香港のデモは、早晩中国共産党によって鎮圧されるだろう。

国際社会が一致協力して、中国共産党を瓦解に追い込むことも、当面考えにくい。

また中国国民の多くがカネの亡者と化し、金儲け第一主義になっている現状では、中国共産党の圧政に抗議して政権打倒に立上る可能性も、極めて小さい。

香港が単独で、中国からの独立を果たして、香港の民主主義を守るのは不可能だ。

香港にとっては、いずれ、しかもかなり近い将来、中国共産党の治世下に組み込まれるしか道はない。

 

共産主義は世界中で破綻した。

しかし中国に関しては、中国政府が共産党の組織を利用して、共産党独裁体制による資本主義経済を実行している。

自己責任での経営判断で事業を遂行する他の資本主義諸国の企業に比べて、中国は、極めて悪質、悪辣な国家単位の経済活動をやっている。

いずれは西欧諸国の企業と、市場を巡って全面戦争になることは必至なのに、日本も含めて中国共産党に弱腰で無警戒過ぎる。

この矛盾を放置すればするほど、中国の世界への影響力が増大し、香港同様、気が付いた時に流す血の量は増えることになる。

 

中国共産党支配下にある中国だが、多くの企業には巨大市場に見える様で、日本の財界人にも中国寄りの発言をする連中は多い。

しかしその中国の内実は、自由貿易に対しては、許すべからざるルール破り国家だ。

中國共産党との戦いは、絶対に先延ばしするべきではない。