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武漢肺炎の後始末

主として保守派の人たちから、今更政府の対策が遅いと言ってもどうなるものでもないので、政府批判を止めようとの声があがっている。

確かに後悔先に立たずで、いくら初動の失敗に文句を言っても、事態は改善しない。

「あの時こうしておけば」とか、「もっと早いタイミングで動けば」とかを論っても、最早手遅れなので、どうなるものでもない。

「今から何をどうするかを、議論をするべきか」との主張は、全くの正論だ。

 

とは言っても、やはり政府の対応で何が問題点だったのかは、キチンと把握しておかないと、次につながらない。

更に恥の上塗りで、ダイヤモンド・プリンセス号から下船した人達への措置も、世界中から不安視された。

下船後に一定期間を隔離することなく、いきなり普通の生活を許可したことだ。

テレビでも、下船後に新幹線で実家の京都に帰宅した乗客を追いかけていたが、「京都が一番安心する」と無邪気に喜ぶ乗客に、違和感を覚えたものだ。

しかも、感染チェックすらせずに下船した乗客が23名もいたことを分かり、下船した乗客からも、新たに肺炎患者が発生してしまった。

いくら日頃は安倍政権を支持している人にとっても、今回の武漢肺炎に関してのミスは致命的で、日本の国際的評価も下げてしまった。

 

そもそも1月中旬の時点で、中国武漢市は新型ウィルスによる肺炎でパンデミック状態なのは、分かっていたことだ。

確かにこの時点でも、中国政府は真実を公表していない。

しかしそれでも、漏れてくる情報を継ぎ合わせていけば、武漢市の惨状は想像できた。

更に決定的だったのは、中国が武漢市を丸ごと封鎖したことだ。

東京都並みの人口がいる大都市を、完全に隔離してしまうのは尋常ではない。

しかもそれは、自分に都合の悪い情報は、絶対に秘匿する中国政府の決定事項だ。

それだけでも、ことの重大さが分かる。

 

ここで日本政府がとるべきだったのは、日本人の中国訪問だけでなく、一切の中国人の入国を禁止することだった。

しかし日本政府は動かなかった。

その理由を忖度するに、一つは中国の春節時には、大量の中国人観光客の来日が期待されていたことだろう。

中国人観光客相手の日本の観光業にとっては、突然入国禁止措置を取れば、パニックになるのは間違いない。

日本政府としては、それを避けたかったと思われる。

 

もう一つは、政治絡みだ。

今回の武漢肺炎については、治療法が分かっていない分、どこまで被害規模が拡がるかの見極めがつかない。

逆に楽観的に考えれば、患者がさほど増えなければ、あるいは、終息が思いの他、早ければ、大した問題にはならないとも言える。

それなのに、中国人入国を全面禁止すれば、ことを大袈裟にしたくない中国政府との間に軋轢が生じてしまう。

そして何よりも、今年4月には、習近平主席の国賓来日が決定している。

中国人の入国を禁止しながら、習近平来日を受け入れることは大矛盾になる。

日本政府は、どうしても英断を下せなかった。

僕は武漢肺炎を、日本政府の忖度と優柔不断が招いた災厄と思っている。

 

しかし、習近平の来日は、この4月でなくてもチャンスは巡ってくる。

習近平国賓で招くことについては、国内の世論も賛否分かれているので、今回の武漢肺炎を理由に先延ばしするのは、むしろ怪我の功名だった。

そしてあの韓国だって、元宗主国で普段なら一切文句を言えない中国に対して、中国人の入国を規制しようとしているほど、事態は悪化している。

だから、今からでも遅くはない。

中国との交流は、全面的にストップすることだ。