昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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相性の良し悪し

僕は、「夫婦相和し」の秘訣は会話だと確信している。

仲の良い夫婦は良く会話するが、仲が悪い夫婦間ではほとんどそれがない。

 

僕の知るある夫婦は、顔を合わせても共通の話題がない。

話すことがなければ、二人して気まずい時間を過ごすことになる。

するとどうしても、出来るだけ顔を合わさないように、片一方の外出が増える。

しかし、そうは言っても夫婦なので、スケジュールなど、最低限のことはお互いに確認していなければいけない。

そこで役に立つのが、トイレを利用したコミュニケーションだ。

夫婦二人とも、トイレは必ず利用する。

そのトイレのカレンダーに、自分のスケジュールを書いてさえいれば、少なくとも行方不明で心配されることはない。

両方がマイペースに徹している、そんな夫婦関係が、円満なはずはない。

 

その原因を探ると、実は夫婦の考え方や嗜好の違いに辿り着く。

夫婦が別々の考えや嗜好だと、会話は激減する。

要は夫婦二人の間に、高校数学で学んだ因数分解の共通項がどれほどあるかの問題だ。

共通項と言っても、「夫婦二人とも政治に興味がある」だけではダメで、支持する政党が同じでないと喧嘩になる。

夫婦が、野党支持と与党支持に分かれているなら、二人でこの話題をとりあげることは絶対にタブーだ。

政治論議は平行線で、交わることがないからだ。

政治ほど深刻でなくても、例えばプロ野球で巨人ファンとアンチ巨人ファンも議論しない方が賢明だ。

 

そしてもう一つ身近な例では、「よしもと」をどう評価するかなども、夫婦の重要な共通項になる。

実はケーブルテレビで放送予定だったテニスワールドツアーが、ご多分に漏れず武漢肺炎の所為で中止に追い込まれ、放送枠が開いてしまったので三年前に放送された、よしもと新喜劇を大量に放送していた。

結果的に全部自動録画されたので、久しぶりによしもと新喜劇を楽しむことになった。

 

僕は元々、こんな馬鹿げたお笑い番組が大好きで、マンネリと分かっていても、繰り出されるギャグに、観客と同じタイミングで大笑いする。

しかし一般的には女性陣は、こんな分かり切った話の展開や、毎度お馴染みの出演者が、毎度お馴染みのギャグをかましても面白さを感じないケースが多い。

小馬鹿にするのが関の山だが、我が妻は、僕と一緒に大笑いしている。

あろうことか、放送後の感想会にも参加してくる。

夫婦揃って、よしもとを喜ぶのは、夫婦円満の証拠だ。

 

これは、相性の問題だ。

我が家の場合、たまたま政治思想も似ているし、モノゴトへの感性も似ている。

別段そうと分かって結婚したわけではなく、結婚してみたら似たもの夫婦だっただけなのだが、これは奇跡と呼んでもいい相性の良さだった。

武漢肺炎で出社がままならず、やむを得ず、自宅勤務を強いられている人が多い。

そんな会社員の夫婦仲が悪いと、亭主が仕事に出かけないのは、双方にとって不幸だ。

我が家は、息子が呆れるほど夫婦の会話が弾むし、世間からは夫婦仲が良いと見られている。

引退後の自宅に、自分の居場所があるのは幸せなことだ。