昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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カラスの知恵

先日、緊急事態宣言解除を受けて、二か月ぶりにゴルフに出かけた。

天気は曇天、無風。

気温は最高23℃で、絶好のゴルフ日和だ。

 

ゴルフ場の方は、感染防止のために受付が透明シートで覆われている。

また、基本的に食堂も閉鎖され、風呂もない。

ゴルフ場としては一種異様だが、とにかく「武漢肺炎が怖い」症候群なので、少しでもリスクを避ける工夫があれば、全部実行している状態だ。

尤も、顧客が要請すれば、食堂もオープンするし、シャワーは使用可能になるらしい。

その肝心の客の入りだが、残念ながら未だ、ゴルフをする気になる人は少ないようだ。

この日も、我々夫婦を含めて、合計でわずかに10組足らず。

ゴルフ場も、これでは採算が取れない。

緊急事態こそ解除されたが、ゴルフ場にとっては当分の間、茨の道が続く。

 

食堂が開いていないので、コンビニで昼食用のおにぎりを買って行った。

ところがクラブハウスで、「最近はカラスの被害が多くて」と注意された。

食べ物はカラスの格好の獲物になるらしいので、用心のために、妻のバッグからクーラーボックスに移し、万全を期した........積りだった。

 

コース内はガラガラなので、スループレイとなり、1ラウンド終了が12時半。

ゴルフ場から我が家までは5分程度なので、昼食と風呂は我が家でとなり、妻がクーラーボックスからおにぎりを取り出そうとしたが、中は全くの空っぽだと言う。

僕は、自分でおにぎりをしまい込んだので、妻の話を信用しない。

チョットした口喧嘩になり、クーラーボックスをチェックしたが、本当に何もない。

余りの事態にショックを受け、コースの係員に状況を説明すると、更に信じられない説明があった。

何でも最近のカラスは、クーラーボックスをロックしていても、それを巧みに外して中身を持ち去るらしい。

係員は、「カラスにすっかり知恵がついてしまって、困っています」と嘆いていた。 

 

実は夫婦揃って、カート近くにカラスが来たとの認識はなかった。

将に、音もなく忍び寄り、音もなくおにぎりを持ち去られたのだ。

冷静に考えれば、自動カート道路の関係で、グリーンでパターをする時に、かなり離れた場所にカートが止まっているケースがある。

こちらはパターを決めようと集中している場面なので、カートにまで気が回らない。

そんなコースを熟知しているカラスが、ひそやかに狙う場所を決めた上で、おにぎり詐取の犯行を仕出かしたに違いない。

 

この日のおにぎりは、僕の大好物のいくら入りで、一個180円もしたものが、袋に三個入っていた。

それを持ち去られた悔しさと、カラスの知恵の発達への驚きで、なかなかショックから立ち直れなかった。

そう言えば、我が自治会の生ごみ収集は月曜日と木曜日で、資源ゴミは水曜日だ。

この月曜日と木曜日は、カラスが生ごみ襲撃のために電線に留まって、人がいなくなるのもジッと待っている。

だが、食べ物のない水曜日は、全く姿を見せない。

カラスなりに、スケジュール管理が徹底している。

 

どう見ても、脳ミソが詰まっているとは思えないカラスの頭と顔つきだが、カラスの知恵恐るべしだ。

その昔、ヒッチコックの名作「鳥」は、鳥が人間を襲うサスペンス映画だったが、鋭い嘴と烏相の悪いカラスの行動を見ると、ひょっとしたら本当になるかもしれない。