武漢肺炎への中国とWHOの動きは、トランプ大統領も腹に据えかねたようだ。
武漢肺炎は、アメリカだけで感染者は150万人を、死者は9万人を超えている。
アメリカにとって悪夢だったベトナム戦争でさえ、死者は6万人以下だ。
アメリカが外部勢力に攻撃されたケースでは、アメリカ史上で最悪の災厄なのだ。
またアメリカ経済への悪影響も、度外れに大きい。
アメリカ経済の立て直しこそ最大業績と自慢して来たトランプ大統領にとって、武漢肺炎ほど腹立たしいモノはないだろう。
しかも発生源の中国はすっかり開き直り、謝罪するどころか、世界中に「武漢肺炎抑え込み」の白馬の騎士を気取ってアピールしている。
中国国内で生産中のマスクもクスリも外交手段として利用しながら、厚かましくも支援を申し出たりしている。
トランプ大統領としては、「ふざけるな!」とドヤし上げたい気分だろう。
そこに更に、WHOの不始末が重なった。
昨年11月に、中国で武漢肺炎感染問題が明らかになって以降、中国政府は隠ぺい工作に走り、WHOは一貫してそんな中国を庇い続けてきた。
世界的感染拡大が始まった今年1月末時点ですら、WHOは楽観論をバラまいていた。
誰がどう見ても、今回の武漢肺炎の初動責任は中国政府にあり、世界的感染の広がりについては、WHOの不適切な情報発信だったことは疑いようがない。
現に中国とWHO以外では、この両者への責任追及の声が日増しに強くなっている。
トランプ大統領は「WHOは中国の操り人形」とまで罵倒している。
そんな中で、トランプ大統領がWHOに対して最後通告を突きつけた。
その内容は、「30日間内でWHOの本質的改善がない場合、WHOを脱退」だ。
解決までの期限も設定されているし、その後の対応策を明快で、分かりやすい。
ビジネスの世界でも、参考になるほどの要求案だ。
アメリカはWHOの資金のうち15%、4億ドルの供出する最大の資金援助国で、その額は中国の10倍以上にも及んでいる。
アメリカはWHOへの不満から、既に4月段階でこの資金供出を一時的に停止した、
今回満足いく回答がないなら、恒久的に資金供出を止めてしまう積りだ。
トランプ大統領のWHOへの指摘は、更に具体的で、
・習近平の圧力で緊急事態宣言を遅らせた
・中国の情報公開遅れに諸国からの不満が募ってもWHOは中国を庇い続けた
・テドロス事務局長の対応の所為で多くの命が犠牲になった
全くその通りで、全面的にトランプ大統領を支持したい。
またアメリカ、日本を始めとした国々が、WHOに台湾のオブザーバ参加を要請したが、中国への配慮からWHOはこれを握り潰した。
世界で最も武漢肺炎防疫に成功した国が台湾なのは、衆目の一致するところだ。
それなのに、その実に貴重な情報を共有することすら、中国への配慮が優先される。
そんなWHOに、何が期待できると言うのか!
アメリカの最後通告に対して、WHOが採りうる唯一の解決策は、テドロス解任と現役員の全員辞任しかない。
それ以外で、アメリカが納得するはずがない。
もしもWHOが「危険なほど中国からの独立性が欠落している」現状から脱皮できなければ、アメリカは間違いなくWHOから脱退する。
ここは有言実行、言ったことは必ずやるオトコ、トランプ大統領の面目躍如の場面だ。
実質的には有形無形でWHOを支えてきた国はアメリカだから、その離脱はWHOの存在そのものを危うくする。
もしもそんな事態になれば、WHOへの第二の資金供出国、日本も、直ちにアメリカに追随して脱退するべきだ。
アメリカがいないWHOは、掲げている「人間の健康は基本的人権の一つでその達成を目的とする」理念など、達成できるはずもない。
仮にWHOがアメリカ主導と、中国中心組織に分裂しても、中国に追随する国は極めて少数だろうし、その医学レベルにも見るべきものなどない。
武漢肺炎は、世界中の経済を壊滅状態に追い込んだ。
回復までは、まだかなりの時間を要するとの見方が強い。
しかしもしもこの騒動の中で、WHOが中国支配から解放され健全な組織に生まれ変わるなら、それは数少ない成果でしかないが、喜ばしいことだ。