日本時間9月30日午前10時、運命のゴングが打ち鳴らされた。
アメリカ大統領選で恒例の、候補者討論会だ。
今年は民主党候補者ジョー・バイデンに認知症疑惑があり、事の成り行きが注目されていたので、まるで興味本位でライブを見ることにした。
先ず当方の政治的立場は、「何が何でも、絶対にドナルド・トランプ支持」だ。
よって論争の過程で、バイデンが言葉に詰まり、立ち往生することを期待していた。
そしてそんな思いから見れば、結果は残念!
客観的に見れば、トランプ圧勝とは言えないものだった。
議論のたびにバイデンの発言にチャチャを入れるトランプの振舞いは、トランプ派の当方ですら、「トランプ、落ち着け」と思ったほどだ。
案の定、討論会直後の識者コメントはその大半はバイデン優勢の判定だった。
勿論、反トランプ姿勢が鮮明なアメリカの大手マスコミは、トランプへ集中砲火だ。
何故か、直接は無関係なはずの日本マスコミどもも、反トランプでスクラムを組む。
民主党支持者や日米マスコミは、狂気にも近いトランプ憎悪感で凝り固まっている。
一方のトランプ派も、必死の我田引水的解説をしていた。
こちらで一番多かったのは、トランプの堂々とした態度に対して、バイデンは決してトランプを直視せず、下を向いて弱々しかったとの見方だ。
またトランプの挑発に乗って、バイデンが不規則発言を繰り返したことを批判した。
トランプやテレビ司会者の質問に、バイデンは真摯に答えなかったとの指摘もある。
またバイデンは、カンニング用イヤフォンを装着していたとも言われた。
興奮状態で制御不能になった候補者二人の、早口の英語を聞き取るのは、ネイティブな英語使い以外には難しい。
この辺は、事後の解説者のコメントに頼るしかないが、いずれにしても、どちらの候補者を応援しているかで、討論会の結果判定が180度違っているのだけは間違いない。
その応援団の中で、トランプ派の急先鋒はケント・ギルバードだが、彼の評価は
・日本人にはバイデン優勢に見えたかもしれないが、中身はトランプの圧勝
・バイデンは、トランプの質問に回答することができなかった
・ロシアと中国からバイデンの息子への巨額賄賂の証拠も議会に提出された
・増税と法人税率アップを表明したバイデンのせいで株価が下がった
一方、バイデン派の右代表は、四年前の大統領選でヒラリー・クリントンの運動員だった明治大学教授の海野素央で、民主党活動家と言ってもいいほど反トランプだ。
・討論会は入念な作戦を立てていたバイデンの圧勝
・トランプは焦って横やりを入れ、バイデンの主張を邪魔するしかなかった
・トランプが、連邦裁判事に保守派を指名したこともバイデンの追い風
・これでサンダース支持者が一斉にバイデンに流れる
などの珍説を披露している。
贔屓の引き倒しとはこのことで、元よりサンダースは民主党の大統領候補者だったが、バイデンと政策協定を結び、大統領選から離脱した。
またトランプはバイデンを「サンダーズ以上の過激サヨク」と攻撃したほどなので、初めからサンダース支持者がトランプ支持になど回るはずがない。
要は両方とも、勝手な希望的観測で討論会を見ていたにすぎない。
結果は、候補者同士の残り二度の討論会と、副大統領候補者が相まみえる討論会を見なければ何とも言えないのだ。
ただケント・ギルバードの
・アメリカ大統領選挙では、州ごとの選挙人総取り方式
・よって、マスコミの一般的な事前調査は全く意味がない
・例えばカリフォルニアは大票田だが、最初から民主党の勝ちが決まっている
・ここで民主党が90%の得票を稼いでも、獲得する選挙人は55名
・だから一番大事なのは、激戦州をどちらが取るかの分析
との指摘は傾聴に値する。
前回も下馬評は、ヒラリー絶対有利だった。
そして確かに総得票数はヒラリーが上回ったが、大統領選はトランプの勝ちだった。
だからマスコミが、日本でいくら反トランプ機運を盛り上げても、それが選挙戦でバイデンに有利に働くことはない。
それでもNHKを始めとする日本のマスコミは、挙って連日に亘り、必死の形相でバイデンの有利さとトランプの悪口を言う。
そうとでもしていないと、自分たちの精神の安定を保てないとすら思える。
いずれにしても、結果は11月3日。
今回の討論会の中でバイデンは、負けたら潔く結果を受け入れると発表したが、トランプは、負ければ裁判に訴える積りだ。
そうなると決着まで、更に一か月近くかかるかもしれない。
日本人の我々は、ルールもレフェリーも無視した、トランプ対バイデンの老人プロレスバトルを見る積りでいた方が良い。
その結果トランプが勝利して、対中国強硬路線が継続されることを祈念してやまない。