海の向こうのアメリカ大統領選だが、誰が当選するかは日本の国防にも直結するので他人事ではないが、11月3日の投票から二週間経過しても、勝者が発表されない。
一応はバイデンが過半数を制したと、トランプ贔屓だったFOXテレビすら放送したようだから、大勢は決しているのだろう。
選挙前は、トランプ当選を切望するだけでなく確信していた当方としては、無念やるかたない思いだ。
しかしその大統領選でトランプが劣勢なことが、日本の右派論客たちの深刻な分裂を引き起こした。
その対立のポイントは
・バイデンの当選は不正の結果なので、本当の勝者はトランプ
・証拠もないのに、陰謀論を語るべきではない
との二派に分かれている。
ついでに言えば、バイデンが当選したと認めるのは、サヨク転向だとの感情的意見まで現れている。
バイデンもトランプもアメリカ人も、日本の仲間割れには興味もないだろうが、当の右派論客たちは真剣だ。
今やお互いに具体名を挙げて、応酬が続いている。
もはやバイデン当選を認めざるを得ないし、不正については司法判断を待つとの意見は、上念司、ケント・ギルバード、KAZUYA、和田憲治たち。
一方の、不正ありの代表者は、百田尚樹、門田隆祥。
SNSでは各々に応援団が付き、百家争鳴の罵り合いになっている。
当方は、どっちの味方でもない日和見主義だが、各々の主張に考え方が現れているので、面白い見世物と思っている。
因みにこの全員が、開票前はトランプ勝利間違いなしと太鼓判を押していたので、バイデン当選の事実を受け入れがたい気持ちもある。
・FOXニュースでバイデンの当確が出た
・今後は法廷闘争になるが、ペンシルバニアは逆転の可能性あり
・ただ他の州は再集計しても逆転には至らない
・今回はトランプの敗戦でやむなし
と断定した。
上念司は
・陰謀論は無意味
・実際に不正があったかは司法の判断
・いくつかの不正疑念はあるが、結果をひっくり返すほどではない
KAZUYAが最もクリアで
・証拠もなくバイデン不正を言うのはモリカケ追及のサヨクと同じ
・バイデン不正論も全く一緒
・何を聞いても、何を知っても、前提に囚われ正常判断ができない
と強く批判している。
一方の不正派の代表、百田尚樹は感情的だ。
・不正は絶対にあったと確信している
・元NY市長のジュリアーニが「不正があった」と断言している
・変節した右派論客から嘲笑された
・あれほどの疑惑が出ているのに、不正の指摘すらできないのか
とまくし立てている。
更に、ドイツでアメリカ軍が票の集計会社サイトルのサーバーを押収したとか、真偽不明の情報まで持ち出している。
門田は、
・今回のバイデンへの投票が78百万票を超えた
を挙げて、これで不正を疑わないのはおかしいと主張している。
しかし一目瞭然だが、百田も門田も具体的証拠があるわけではない。
ネットで情報を収集して、どうも納得ができないと言っているだけで、この限りでは上念やKAZUYAの意見の方に説得力がある。
ついでに言えば、オウム真理教のスポークスマンとして悪名を馳せた上祐史浩が、自身への反省も含めて、バイデン不正の陰謀論を言うのはオウム真理教末期と一緒と投稿していた。
内容はKAZUYAとほぼ同様で、追い込まれると陰謀論に逃げ込むし、他の価値観の全てを否定したくなるものらしい。
そして百田も門田も、Twitter投稿の内容を微妙に変えている。
当初は「不正間違いなし」と力説していたのに、「不正はなかったかもしれないが」と言い出しているのだ。
威勢よく不正選挙を言い募っても、どうも敗色濃厚と悟ったようだ。
ここまで騒ぎが大きくなると、どちらかが恥をかく。
他人の喧嘩と対岸の火事は、デカくなればなるほど見栄えがする。
それまでは、高みの見物に限る。