2)その代表になる近道は日本国籍
3)よって彼女は日本国籍を取得する
との三段論法を聞いた気がするが、大坂なおみの国籍問題はどうなったのだろう。
その大坂なおみは、順調に世界的女子テニススプレイヤーに成長し、二年前に続いて今年も世界最高峰の全米オープンも制覇した。
全豪オープンも勝ったし、ランキング世界一になったこともある。
テニスファンだけでなく、世界的に有名な大選手だ。
今年の全米オープン直前に、ウィスコンシン州やミネソタ州で黒人被疑者が取り調べ中に死亡する事件が発生した。
それをきっかけに、全米中に黒人差別反対運動が巻き起こった。
大坂なおみ選手はトーナメント出場にあたり、これまでの取り調べ中に死亡した黒人市民の名前を書いたマスクを着用して、この差別反対運動に賛同した。
その時の、この彼女のパフォーマンスには、世界中から称賛が集まったが、反対意見もあり、賛否が分かれた。
その大坂なおみが、今回もまたSNSで、黒人犠牲者の名前入り黒マスクを投稿し、黒人差別と闘い続ける覚悟を表明した。
その犠牲者の事件は、1955年に起きたもの。
確かにアメリカ国内では、黒人差別問題の象徴的事件であり、無罪評決に多くの抗議があり、何度か再審されているらしい。
敢えて彼女が、この事件を取り上げた背景には、未だに議論が分かれるこの事件の捜査や裁判のやり直し要求があるのだろう。
しかし65年も前の事件で、今迄の捜査や評決の過ちを証明できる新たな証拠が発見されないと、一事不再理の原則を覆すことは難しい。
それなしでは単なるアジテーションなので、これもまた物議を醸す。
時を同じくして日本では、NIKEのコマーシャルでざわついた。
僕は見たことはないが、仄聞する限り、チマチョゴリを着た在日、黒人とのハーフ、いじめにあう日本人の三人の女子中学生が、スポーツを通じて差別に打ち勝ち、自信を取り戻す内容らしい。
その黒人とのハーフ女子中学生は、大坂なおみを彷彿とさせる。
NIKEは、朝鮮人や、大坂なおみ的中学生が、日本の人種差別の被害者と言いたいようだ。
ついでに、大坂なおみの姉と称する人が、「日本には差別がないなんてウソ」と証言したらしい。
では聞きたいが、大坂なおみは、どんな差別を受けたと言うのか。
彼女は、漫才師が舞台で「肌の色を揶揄した」と言ったらしい。
「エッ、それだけ?」
「漫才師のネタで、日本人に黒人差別があると断定するの?」
彼女は生まれは日本だが、物心ついて以降は海外で生活していたので、日本語がほとんどできない。
日頃は日本にいないのだから、日本人に差別されるはずはない。
しかし、テニス選手として有名になれば、露出も増えるし、良いも悪いも様々に注目され、至る場面でいじられる。
漫才師のネタもそんな軽口の一つであり、彼女の人気の裏返しなのだが、それを「日本に差別がある」と言われても納得できない。
もしも日本で彼女への差別があれば、彼女は日本で人気者にはならないし、テレビバラエティやCM出演などあるはずがない。
実際に彼女が海外でテニスを戦っている時、日本人の大半は一所懸命に応援していたはずだ。
そもそも彼女のマスクパフォーマンスは、あくまでアメリカでの黒人差別を糾弾するものだった。
僕は、彼女の全米オープンの場での黒マスクパフォーマンスは好きではなかったが、アメリカでの黒人差別に、黒人である彼女が反対することについては、賛成も反対も彼女の意思だと思う。
今度のNIKEのCMの製作に当たっては、電通が朝鮮総連に相談したことが明らかになっている。
それなら、誰が見ても大坂選手と思わせる黒人とのハーフ中学生を登場させるにあたって、彼女サイドの了解を得たと見るのが自然だ。
その大坂選手が、日本に黒人差別が存在すると発言すると、世界中にそんな先入観を持たせてしまう。
その上で、日本の差別刷り込みCMを流すのだから極めて悪質だ。
彼女の振舞いを見ると、彼女の性格は外国人として確立していて、日本人ではないと思う。
それは当たり前のことで、我々は日本で生まれ、日本で育っていく中で、日本人の常識を身に着ける。
彼女は、日本で生まれたかもしれないが、外国で育った。
その成長の過程で吸収した常識は、その地方に独自のモノだ。
日本人のソレではない。
アメリカでの黒人差別は、黒人であるだけの理由で不当な扱いを受けることへの反対だ。
日本人は、見たことのないモノを警戒するので、警戒された側が違和感があっても、それは断じて差別ではない。
若干の時間がかかるが、慣れた後は全く普通に付き合うからだ。
もしもこれを差別されたと言うのなら、やはり彼女の判断基準は、日本人とは違っている。
今の実力なら、大坂なおみが日本国籍を取得すれば、オリンピックでのメダル獲得が有力になる。
そんな不純なスケベ心で、彼女が日本国籍を選ぶことを願っていた。
しかし、NIKEのCMに彼女が賛同しているのなら、彼女にとっての日本は住みやすい国ではないだろう。
それなら無理して、日本人になってもらう必要はない。
オリンピックメダルが一つや二つ期待できたとしても、それが日本を嫌いな人によるものなら、とても応援する気にならない。
日本人の誇りや、日本人同士の結束の方がよっぽど大事だ。