昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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詐欺師に御用心

日曜日の昼食中に、突然インターフォンが鳴った。

出て行った妻が、なかなか帰ってこない。

こっちも食べ終わったので、様子を身に出てみた。

 

すると、若い男二人組がいて、やたらと愛想が良い。

「ご主人様ですか?」

「実はこの先で壁の塗り替えをしますので、ご迷惑をおかけします」

「車で通ることがあるのでご挨拶を」

と、満面の笑顔で説明する。

 

しかし、彼らが担当すると言う工事の家は、優に50メートル以上も離れている。

しかも車で往来ったって、ごく日常的なものだ。

こちらも恐縮気味に「それはまたご丁寧に」と軽く挨拶して、家に戻ろうとしたら、リーダー格の男の方が「ところで」と言い出した。

 

彼によると、「屋根のカバーの一部が台風で飛んでいる」らしい。

指さす方向は逆光で見にくいが、確かに一部の色が薄くなっているようにも見える。

「できるだけ早く手を打った方が良い」

「自分たちが知っている、瓦業者を紹介したい」

と、何となくどこかで聞いたセリフが並ぶ。

その止めが「自分たちの工事の帰りにお手伝いしても構いません」

 

「5年前に屋根の吹き替えをした」と言うと、「専門の瓦屋 じゃないと、塗装業者では分からない」と答える。

オイオイ、君たちは塗装業者だろう。

この時点で、全く信用できない連中なのが分かる。

 

実は数年前に、同じような話を持ち掛けてきた輩がいた。

三軒先の家の屋根工事をやっていた業者が訪ねてきたのだ。

おもむろに「お宅の屋根のビスが浮いている」と説明する。

「工事が終わった後に、屋根に上がって確認します」

「ついでなので、費用は2千円で結構です」

 

当時は何も分からないのでその業者に屋根チェックを頼むと、ビスが浮いている証拠写真を見せてくれた。

「早く修理した方が良いから、我が社でやります」などと、いかにも親切だが、その見積もりがエラク高い。

「修理は、この家の建築業者に任せているから」とお引き取り願ったが、後に詐欺だったことが判明した。

そう言えば、30メートルも先のビスが浮いているなど、目視で分かるはずがない。

そんな経験があるので、この業者にも丁寧にお断りした。

 

その後、隣接するマンションの屋上に上って、我が家の問題の部分を写真撮影してみたが、彼らの言う部品の欠落などどこにもない。

要は、逆光と遠近感の所為でいかにもつながっていないように見えるだけで、もともと何もない部分だったのだ。

ついでに、彼らが仕事を請け負ったと言う家も確認したが、全く塗装工事など不要の建物だ。

やはり典型的な詐欺だった。

 

彼らの狙いは、何はともあれ「屋根に上ること」だ。

屋根にまで、家人がついてくることはあり得ない。

屋根に上りさえすれば、適当な写真を撮って、早期の工事の必要性を説明する。

屋根に問題があれば家が傷むので、普通に「ではお願いします」と進んでいく。

その後は、法外な費用を吹きかけてトンズラする。

そんな詐欺が横行しているらしい。

 

今回の業者は、会社名も個人名も名乗っていない。

その割にはヤタラを愛想が良く、妻に対して「お若いですね」とかのおベンチャラまで言う。

商売熱心の余り、如何にも胡散臭さが漂ってしまう。

こんな連中が、老人宅を狙って詐欺を働くのだ。

 

用心するに越したことはないし、よろず相談できる業者を持っておくことが重要だ。

全く油断も隙もない。