昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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年をとるのは悪い事ではない

バリバリの老人になった。
世間では、初老の紳士と言うと50歳中盤以降のイメージだが、初老とは40歳の別称。
ついでながら「中年とは何歳から?」と聞くと、多くの中高年は、「おおよそ50歳前後かな」なんて楽観的に答えるが、若き乙女の答えは、「35歳!そこからは中年」と手厳しい。
自分は年寄りではないと思いたいのだろうが、世間は、35歳から中年、40歳からは年寄り、50歳を超えれば充分老人の資格を有すると判断している。

老境に入って諸々の悩みが増えた。
先ず、記憶力が大幅に落ちた。

人の名前を覚えない。

英語の単語は、覚えた次の瞬間に忘れている。
忘れ物なんて日常茶飯事。

さっきまで着用していた眼鏡を置いた場所を忘れてしまい、探すのに大騒ぎ。
朝食をとってもすぐに腹が減る。
次に体力が落ちる。
今や、全力疾走なんて10mも出来ない。肺活量も情けない限りで、息を止めた状態は10秒が限界。
睡眠も、浅く少なくなる。
我が家の愚息どもは、休みともなると夕方まで眠り込んでいるが、当方は、休日ほど早起きで、5時前にはすっきりと目覚めてしまう。
眠る事も体力が必要だと痛感する。
更には、身体能力も衰える。
眼鏡がないと何も見えない。駅の料金表の数字が見えない。
耳も遠くなり、何度も聞き返す。

未だ入れ歯ではないが、これも時間の問題かもしれない。
若かりし頃の好奇心や性欲もすっかり消え去り、明鏡止水、解脱の境地もかくばかりかの域にまで到達してしまった。

しかし、逆に、これ等は老人力アップと考えられないでもない。
目が悪くなれば、己の老いさらばえた姿を正視しないで済む。
耳が聞こえなければ、人からの悪口も聞き取れない。
記憶力が落ちたのも、忘却力が増えたと思えば良い。
オールクリア機能は、パソコンが持つ最高の能力あり、人間が逆立ちしたって適わない。
人間は、くだらない事や、忘れたい事をなかなか捨てる事が出来ない。
その点、パソコンはあっさりと、ボタンひとつであらゆる記憶を捨て去ってしまう。
嫌な事など忘れ去るに限る。
老人の忘却力は、パソコンに域に近づいている、

……とは思えないかなァ。

屁理屈だけはうまくなっている。
若者が少々抵抗しても、ナンダカンダと(屁)理屈で言い包めてしまう。
ますます、若者から嫌われ、ますます孤立無援の道を進む事となる。

ピラミッドの壁にも、チグリスユーフラテスの木版にも、「今時の若い連中は全くナットラン」との老人の嘆きが書いてあるらしいから、若者と老人の葛藤は、遥か古代文明の時代から現在に至るまで解決不可能な課題として継続している事になる。