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「微笑みの国」タイに潜む危うさ

タイではタクシン首相一族の不正疑惑から政治不安が続き、選挙で信を問う事になったが、野党が選挙をボイコットした為、政府与党への投票が57%となり、与党サイドは当たり前の如く勝利宣言をし、野党はこれまた当たり前の如く選挙は無効だと主張し、まだまだ政局の安定は程遠いように見えていた。

ところが、タクシンは国王に合ったとたん態度一変、あっという間に辞任を表明した
タイの現プミポン国王は、史上でも稀有な名君との評判であり、国民の信頼が極めて高い。
10年以上前に軍事クーデターが発足し、どうしようもなくなった時も、国王が調停に乗り出すと、軍部も政府もあっという間に仲良くなってしまう。
タイはそんな国で、民主主義国の中でも異彩を放っている。
と言うより、タイは民主主義国家ではなく、むしろ緩やかではあるが、国王による統治国家である事が判明した。

タイでは王様とその一族の悪口を言うと、不敬罪で逮捕される。
日本人同士でも、国王の話をする時は声を潜める。
タイでは今までのあらゆる王朝が9代で消滅しているらしく、現プミポン国王がラマ九世であり、皇太子の評判が極めてよくないことは公然の秘密だが、その事を語る人は絶対にいない。
シャルウィーダンスの名曲で知られる、ユルブリンナーの主演映画「王様と私」は、タイでは王様を馬鹿にしているとして上映禁止。

「微笑みの国」タイの知られざる一面だ。

ところで、タクシン元首相は、国家がスマトラ沖地震からの津波被害に遭遇すると、自らが現地へ飛び陣頭指揮するなど、強いリーダーシップを発揮するヤリ手政治家であり、この面では国際的にも評価が高かった。
実際に、貧乏人の見方として困っている人の為の施策を実行している事も間違いない。
しかし、一方では生粋の辣腕ビジネスマンであり、自分の家族や会社の利益を優先しているとして、タイ国内では不正蓄財を噂は絶えない。
発展途上国特有の、いわゆる胡散臭い政治家でもある。
今回の不正疑惑も、ある意味では起こるべくして起きた事件だと思う。

タクシンは結構危ない政治家だが、彼をしのぐリーダーは簡単にはいない。
僕の大好きな国タイは、まだまだ発展途上にある。