昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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アルツハイマー

最近、若年性アルツハイマーをテーマとして扱った映画を二本続けて見た。
一本は渡辺謙の「明日の記憶」、もう一本は韓国映画の「私の頭の中の消しゴム」。
いずれも大ヒットしたり評判になった映画だが、中高年黄昏族として身につまされてしまい、とても他人事として見る事が出来なかった。
最近物忘れが激しい。
人の名前はまず絶対に覚えない。
建物や土地の名前、あらゆる固有名詞をすぐに忘れてしまう。
おそらく脳が萎縮し始めているのだろう。
昔、母親が僕を呼ぶ時、兄弟全部の名前を連ねた最後にやっと僕の名前にたどり着くのを笑っていたが、今や僕の中では当たり前の光景になってしまった。

アルツハイマーを発症した人が増えてきている。
昔からあったと思うが、ボケとして簡単に片付けられてきたのだろう。
今までは家庭の恥としてあまり大っぴらにされる事がなかったが、今や出来るだけ近所の人には多く知ってもらった方が良いと変わってきている。
確かに病気の一種だから、周囲が知っている方が対処の仕方がはっきりする。
近所にも名札をぶら下げて歩いている人がいる。
彼は、ほんの少し前までウルサ親父として有名だった。
自治会のゴルフコンペでも人気者でマナーにも厳しい人だったが、最近は申告スコアが出鱈目になってしまい、あまりに度が過ぎたので会を除名されてしまった。
しかし、アルツハイマーと分かっていたら、彼が大好きだったゴルフ会を除名する事もなかっただろう。

映画の方はラストシーンで、「明日の記憶」は発病した夫が献身的に看病する妻の名前を忘れてしまう。「私の頭の中の消しゴム」は、発病した妻が奇跡的に一瞬記憶を取り戻した時に、夫が一度として妻に伝えなかった「サランヘ」の言葉を口にする。
救いがあるのは韓国映画の方だが、いずれにしてもアルツハイマー病を発症することの大変さを自覚した。