麻原彰晃こと松本智津夫の死刑が確定した。
犯行が判明し逮捕され、初公判からはや１０年以上経過し、やっと結論が出た。
遺族や被害者にとって、いかなる結果になろうと心が癒えるわけではないだろうが、それでも最低限の納得は出来るだろう。
日本の犯罪史上でも例を見ない、坂本弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件や様々の非合法犯罪を引き起こしたオウム真理教なる組織で、グルとして、神として君臨した最高責任者なのだから、たった一回だけしか執行できない死刑でも不充分ではないかとの不満が残ってしまう。
相変わらず分からないのが、担当した弁護士連中の｢心神喪失状態にあるのだから死刑執行してはいけない｣なる主張だ。
東京高裁が指定した期限内に控訴趣意書を提出しない引き伸ばし戦術をとったのが逆効果となり、一気に死刑判決が固定化された。そうでなければ最終結論まで更に１０年近い時間が必要だったのではないだろうか。
今回の最高裁判決への反対意見は極めて少ない。
弁護団は、「今回の判決は不当であり、麻原彰晃氏（本名の松本智津夫ではない）の病気治療を優先し、真相究明するべき」と信じられない声明を発表している
病気治療して万一松本智津夫が回復したとして、彼が真相究明に協力するとでも思っているのだろうか。
作家佐木隆三は、「人間・松本智津夫は誰より死刑になることを恐れていた」と喝破している。
彼は、死刑になりたくないから病気を装った。百歩譲って、今は本当に心神喪失状態であっても、それは元々狂気を装っていた積りだったのが、１０年も経つうちに自分でもどこまでが芝居でどこまでが現実かが分からなくなっているだけだと思う。
意味不明な発言や態度を繰り返し、果ては失禁まで仕出かし、自らの精神が異常となっていることを証明したかったのだろうが、得意の超能力はどこへ行ったのだろう。
空中浮揚や水中クンバカが可能な超能力者の成れの果てが、失禁による死刑執行延長とは漫画以下のアイロニーである。
松本智津夫の指示の下、犯行を繰り返した弟子達は、真面目で才能に溢れた連中が多かったとも言われていた。
こんな最低の馬鹿男に騙されたのでは、自業自得ではあるが浮かばれない。
